昨今、流行の3Dアニメはここまできている‥というのがよく分かる作品。
「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ- DC」(2015日)
ジャンルアニメ・ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ) 21世紀中盤、温暖化に伴う急激な海面上昇で、人類は地上での版図を大きく失う。そこへ、謎に包まれた“霧の艦隊”が現われ、その圧倒的な武力で世界各地の海域は封鎖された。そんな中、横須賀・海洋総合学院の士官候補生・千早群像の前に、霧の艦隊から離脱した潜水艦イ401と、そのメンタルモデルであるイオナが現われる。イオナに導かれてイ401に乗り込む群像と学院の生徒達。彼らは日本政府の依頼を受けて、”人類最後の希望”をアメリカに届けるべく、行く手に立ちはだかる霧の艦隊との戦いに臨んでいく。
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(レビュー) 同名原作をテレビアニメ化した「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」の劇場版。
映画の2/3はテレビ版の総集編。残りの1/3は新作という構成になっている。尚、本作は続編の製作が決定されており、今回の劇場版はそれに続く前章的な作りになっている。
自分は原作は未読、テレビは一通り見た上での鑑賞である。
まず、テレビ放映時には、画面のクオリティの高さに驚いたものだった。今回アニメーションを製作したのはサンジゲンというスタジオである。いわゆる、メカと美少女という日本アニメに連綿と続くお家芸を”フル3D”で挑戦したのが大きな特徴で、従来のセルアニメではとても表現できない”滑らかな動き”が実現されている。
元々、3Dはメカに特化した表現手段として早くから業界に流通していた。しかし、人物表現には不向きで、ましてや今作のような萌えキャラのような柔らかみのある描線には中々馴染まない物であった。それを最初に実現したのが本作である。テレビが放映された2年前にはかなり話題にもなった。
テレビでそのクオリティの高さは承知していたが、今回改めて映画のスクリーンで見ても全然遜色はない。正に3D表現による賜物だろう。
物語は、先述したように、前半の2/3はテレビ版のあらすじを振り返る内容となっている。自分はすでに内容を知っていたのでそこそこ楽しめた。しかし、登場人物が何の説明もなしにそこに居たり、群像たちがアメリカへ向かう目的といったものを曖昧なまま話を展開させたり、作りがかなり荒っぽい。ましてや、ナレーションの語りも一貫しておらず、正直なところ1本の映画として見た場合、かなり歪な内容になっている。一見さんにはかなり厳しい内容ではないかと思う。あくまでファンのために作られた作品という感じがした。
そうしたファン向けとして割り切って作っているせいか、テレビ版でキーとなるポイント、つまりファンが見たいと思うような場面はきちんと尺を取って作られている。
例えば、テレビシリーズ後半の重要なエピソード、群像とイオナの絆を強める”ある危機的状況”を描くエピソードは、ファンの間では名編として語り継がれている。そこをちゃんと入れてきたのはスタッフもよく分かっているな‥という気がした。
一方、後半の新作の方は、群像たちの前に新たな敵が現れる‥という展開で進む。新キャラの紹介という風に捉えれば丁度いいか‥。敵の本体も明らかにされ正に「戦いはこれからだ!」的な感じで終わる。そのため消化不良感がハンパないが、続編に期待せよ‥ということだろう。
尚、今回この映画を見て、新たに分かったことがあった。
イオナは最初は感情希薄、まるでロボットか人形のような喋り方をしているのだが、後半に行くにつれて明らかに変わってきている。話し方に抑揚が出て、感情が少しずつ表に出るようになっているのだ。これはテレビシリーズでは気付かなかった点である。イオナは群像というパートナーと出会い、仲間たちと一緒に過ごすことで、戦うために作られた”メンタルモデル”から感情を持った”人間”へ変わりつつあるのかもしれない。無論、肉体的な意味ではなく内面的な意味においてである。今回見てそれが改めて分かった。
おはようございます、ありのさんへ。自分もこの作品を見てきました。特に蒼き鋼の艦隊のイ401、蒼き鋼の艦隊のコンゴウ、タカオ、マヤ、イ400、イ402、キリシマ、ハルナそして今回新たに登場したヒエイの3DCGモデリングには圧倒されました。そして今回「5人の霧の生徒会」の内メンタルモデルのヒエイさんが登場したのですが、その担当声優に「海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)」や去年の夏に劇場公開された「映画烈車戦隊トッキュウジャーギャラクシーラインSOS」に出演した、M・A・Oさんこと市道真央さんを起用するのは驚きでした。その、生徒会室に似たフィールドでのヒエイとイオナのメンタルモデル同士のやりとりで生徒会長ヒエイ様がホワイトボードにマーカーで「綱紀粛正!」と書く場面が面白かったです。それから、後で気付いたのですが渕上舞さんら「プリキュア」関連の声優さんが出ていてコンゴウ、タカオという名前を聞くと「艦これ」の事を思い出してしまいます。
劇場はファンでいっぱいでしたので、おそらく続編への期待を含め、皆足を運んだのでしょう。
そこで登場した新キャラですが、夫々に個性的で魅力的でしたね。まだまだ未知の部分がありますが、情報を待ちたいと思います。
そう言えば、昨今TVアニメにもなった話題のゲーム「艦これ」とのコラボもありましたね。
こうした話題作りも、この作品は上手かったように思います。
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