異端ヒーローの活躍を描くシリーズ第2弾!今回も存分に楽しめる!
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」(2017米)
ジャンルSF・ジャンルアクション・ジャンルコメディ
(あらすじ) 宇宙の賞金稼ぎ”スター・ロード”ことピーター・クイルと仲間たち“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”は、銀河を救った英雄としてその名を宇宙全土に轟かせていた。ある日、彼らは黄金の惑星ソヴリンの指導者アイーシャの依頼を受けてアニュラクス電池を守ってモンスターを退治した。ところが、毒舌アライグマ“ロケット”の軽はずみな行動で逆に彼女の怒りを買い、無敵艦隊の総攻撃を受けてしまう。そこをピーターの父親だと名乗る男エゴに助けられる。ピーターとガモーラ、ドラックスは彼の惑星へと招待されるのだが‥。
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(レビュー) 落ちこぼれのならず者たちが宇宙を股にかけて大活躍を繰り広げる
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(2014米)の続編。
まず、本作は前作を観てから鑑賞することを強くお勧めする。キャラクター設定やこれまでの経緯などが全く説明されないまま進行するので、初めて観る人にはかなり敷居が高い作りになっている。しかも、前作から引き継がれている伏線もあるので、単品で見てしまうと本来の面白さの半分も伝わらないことになってしまうだろう。できることなら続けてみることをお勧めする。
この「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は、マーベルコミックの中では比較的マイナーなヒーロー物で、前作も最初はそれほど周囲から期待されていなかった。監督のJ・ガンもまだ若い作家で、これまでに撮った作品と言えばチープでグロいB級映画ばかり。ピーターを演じたC・プラットは今でこそ人気スターだが、当時はそれほど客を呼べる俳優ではなかった。そんなB級感漂う布陣で作られた第1作は、自分も最初は余り期待してなかった。ところが、実際に蓋を開けてみれば予想外のメガヒットを記録し、個人的にも
2015年俺アカデミー賞では第3位と、とても好きな映画となった。
ただ、続編を成功させるのは大変難しいものである。大抵は第1作を超えられないというパターンが多く、自分が知る中でも成功している例は数えるほどしかない。観る前から自分も多少は心配していた。
しかし、結論から言うと、さすがに第1作のような新味は感じられないものの、アクションやドラマがパワーアップしていて実によく出来ていると思った。はっきり言って今回も傑作である。
監督・主演を含めた主要メンバーは前作と同じ布陣である。スペースオペラ然としたテイストを継承しつつ、いつもの面々がドタバタ騒動を繰り広げる所は基本的に前作と一緒である。”ノリと笑いで銀河を守る”という宣伝文句通り、大変軽快でポップな作りが徹底されている。シリアスな場面はあるものの、そこをサラリと処理しているので大変見やすい映画となっている。
また、前作で謎とされていたピーターの父親の正体も今回明らかにされる。それによって物語はより濃密に、そしてドラマチックに展開されている。
中でも一番面白く観れたのはピーターの育ての親ヨンドゥだった。すでに前作でかなり含みを持たせたキャラになっていたが、その彼が自らの出自やピーターとの思い出を打ち明けてくれる。余りにもベタと言えばベタだが、それを真正面からやってしまうのが本シリーズの良い所である。思わずホロリとさせられた。
更に、本作ではピーターと父の愛憎ドラマの他に、ガーディアンズの紅一点ガモーラにまつわる姉妹の愛憎劇も並行して描かれている。ここも前作の消化不良部分だったので、個人的に興味深く観ることが出来た。
確かに、このエピソードを持ってきたことによって、ストーリーがいささか散漫になってしまったことは否めない。しかし、このエピソードは、本作全体に貫かれるガーディアンズの連帯感、友情、あるいは劇中でドラックスが語っていたような疑似家族愛といったテーマに通じるような面白さがある。そういう意味では、作品全体を通して語られるテーマにリンクしており、変に浮いた感じはしない。この愛憎劇は次回以降も続くように締めくくられている。今後、更に踏み込んで描かれることになるだろう。
監督・脚本のJ・ガンの軽快な演出も相変わらず冴えている。
前回はどうしてもキャラクター紹介に費やすドラマ作りを余儀なくされていたが、今回は主要メンバーの個性がすでに確立されているので、冒頭からドラマを積極的に動かしている。いきなり派手なアクション・シーンに始まり、その後も間髪空けずに危機、危機の連続でピーターたちを追い詰めている。スピーディーに広大な宇宙を飛び回るガーディアンズたちの姿は、まさにスペース・オペラとしての醍醐味を味あわせてくれる。
ガーディアンズのメンバーのやり取りも終始楽しく観れた。
特に、クライマックスの”テープ”のクダリには声を出して笑ってしまった。この切迫した状況でテープとは…。こんなスペオペ観たことがない(褒め言葉)。
また、SFに懐メロを掛け合わせた遊び心溢れる選曲も健在である。70年代のポップソングと宇宙空間とのギャップが面白い。
但し、残念ながら今回も歌詞は一部しかテロップで表示されない。歌詞と画面内で起こっているドラマが絶妙にリンクしているので、出来ることなら歌詞を全部テロップで出して欲しい。ここは前作同様、不満に思う所だった。
それにしても、今回はヨンドゥが完全に美味しい所を持って行ったという感じである。彼は前作以上に見せ場が多く、クライマックスでは完全に主役のピーターを食ってしまうほどの存在感だった。今回最も印象に残ったのは実は彼である。
それと、今回はドラックスもかなり印象に残った。前作では家族を殺された恨みを晴らすべく凄まじい復讐心に燃えていたが、今回はよく大声を出して笑っている。そこに彼の心の変容が見て取れる。ピーターたちとの間で育んだ疑似家族愛が、彼の心を少しずつ丸くしていったのだろう。
そして、そんな彼の変化が最もよく表れていたのが、今回から登場する新キャラ、マンティスとの交流である。相変わらず空気の読めない言動を繰り出すドラックスであるが、相手のマンティスも他人との接触を全くしてこなかった孤独な女性で、この二人は言わば共に人付き合いの下手な者同士である。そんな彼らの交流は実に微笑ましく観れた。
キャストでは、今回新たにK・ラッセル、S・スタローン、ノンクレジットでD・ハッセルホフが登場してくる。いずれも往年のアクションスターたちである。特に、ハッセルホフはここ最近ほとんど見かけることがなかったので、元気な姿を見れて嬉しかった。もう一人ノンクレジットで出演していたJ・ゴールドブラムは、残念ながらどこに出演していたのか気付かなかった。そして、我らがスタン・リー先生は今回もしっかりと登場している。
尚、本作はエンドロールも中々凝っているのでとても楽しい。次回に繋がる伏線も出てくるので最後まで席を立たないで観よう。
ありのひろしさんへ、おはようございますそしてお久しぶりです。僕は、この作品をMX4D吹き替え版としてToHoシネマズららぽーと富士見で見たのですが、前作より面白さと楽しさそしてアクションもグレ-ドアップしていました。そして音楽の使い方がうまい!と感じたし小さなグルート君もそうだけどマイケル・ル-カ-さんが演じる、ヨンドゥさんの活躍もよかった。でも驚いたのはメンバーの一人で、デイブ・バティスタさん演じる、戦士ドラックスの心の変化でしょうか。突然大きな声で笑う場面にはびっくりしたけど。
こんばんは、にょろ~ん。さん。
私が観たのは2D吹き替えでした。4Dだとアトラクション性が増してさぞかし楽しかったでしょうね。本作はそういうのにピッタリな映画と思います。
音楽の使い方は監督のこだわりがあって前作でもそれがドラマを上手く盛り上げていました。
それだけに歌詞は表記して欲しかったですね。
それを差し引いても十分楽しめる作品ではありますが。
すでに第3作の企画が上がってるらしく次回も楽しみですね。
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