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トイ・ストーリー3

分かっていてもまんまと術中にはまってしまうのね~。

「トイ・ストーリー3」(2010米)star4.gif
ジャンルアニメ・ジャンルアクション・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 アンディが幼少時代に遊んだおもちゃ達は、今やその役割を終えて箱の中にしまわれていた。大学に進学することになったアンディは引越しの準備に追われる。しかし、思い出の詰まったおもちゃを容易には捨てられず、一番のお気に入りだったカウボーイの人形ウッディを鞄に詰めて、残りを屋根裏に仕舞おうとした。ところが、母の手違いによっておもちゃ達はゴミに出されてしまう。どうにかゴミ収集車から逃れたおもちゃ達は、自分が見捨てられたと思い込む。追いかけてきたウッディがその誤解を解こうとするが、彼等は新しい貰い先である託児施設に新天地を求めた。そこにはロッツォという熊のぬいぐるみを始め、同じ境遇にあったおもちゃ達がたくさんいた。彼等はそこで新たな生活を始めるのだが‥。
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(レビュー)
 ピクサー製作の大ヒットシリーズ「トイ・ストーリー」の第3弾。成長したアンディに別れを告げたおもちゃ達の冒険を、笑いと涙で綴った3DCGアニメ。尚、第1作は見ているが第2作は未見である。それでも今回の物語はきちんと理解できたので、おそらく一見さんにも十分ついていける内容だと思う。

 相変わらず素晴らしい映像を見せてくれるピクサーであるが、そのCG映像の技術追求はすでに「ウォーリー」(2008米)で一つの頂点に達したと思う。前作「カールじいさんの空飛ぶ家」(2009米)を見たときにも思ったことだが、今回も特に目新しい表現は見られない。CG技術表現は日進月歩。一昔前までは、日々進化する映像に驚いたりしたものだが、ここに来てクオリティーの追求は新しい表現技術を探すのではなく、これまでの表現技術をいかにレベルアップしていくか?そこに向いているような気がする。むしろ、今回に関して言えば、アニメーション本来の魅力。例えば、おもちゃらしい動きとか、そういった”動き”のリアリティ追及が感じられた。例えば、ケンのドールハウスのエレベーターの降り方一つとっても芸が細かい。ガタガタした動きに、オイオイそこまで細かく演出するか?と感心させられた。

 そして、映像もさることながらピクサー映画のクオリティーの高さはストーリーテリングの上手さにあろう。今回は「モンスターズ・インク」(2001米)、「ファインディング・ニモ」(2003米)で共同監督を勤めたL・アンクリッチが単独監督と共同脚本を担当している。普遍的な親子愛を描いた「ファインディング・ニモ」は子供はもちろのこと、大人が見ても感動できる良質な作品であり、自分が見たピクサー・アニメの中では最もペーソスに溢れた作品だと思う。そのアンクリッチが、今回監督と脚本を担当しているのだから、当然作りとしては子供よりも大人目線が入り込みやすいドラマになっているだろうというのは何となく想像できた。実際、ドラマは表面上はウッディ達おもちゃの冒険活劇ということになっているが、その裏側には子供から大人に成長したアンディの過去との“決別”、“郷愁”が語られている。そして、予告の時点である程度想定されたことであるが、やはりこの“決別”と“郷愁”でもって映画は感動的に盛り上げられている。分かりきっていることではあったが、まんまと涙腺は決壊させられてしまった。観客の感情を誘導するストーリーテリングの術中にまんまとハマってしまったという感じである。

 敢えて難癖つけるとすれば、中盤で若干中だるみを起こすことくらいだろうか。バズが敵に捕まって以降、少し展開に躓く感じを受けた。また、ウッディが落としたカウボーイ・ハットの伏線の処理は決してスマートとは言い難い。クライマックス・シーンで、1箇所だけ描き不足かな?と思えた箇所があった。それ以外はほとんどクセのつけようがない作りである。逆に、最後の○○を敢えてぼかした所などは味のある演出に思えた。正にこれこそ完全に大人向けな演出だろう。様々な想像を掻き立てられる。

 涙だけではない。本作には笑える箇所もたくさんあった。最も笑ったのは新キャラ、ケンである。軽薄な洒落者なのだが、どこか憎めい一面を持っていて愛すべきキャラになっている。また、クライマックスのミスター・ポテトヘッドの活躍にも笑わされた。

 逆に、残酷さをおぼえたシーンもあって、それはセピア調で描かれたロッツォの過去のエピソードである。ロッツォの子分であるビッグ・ベビーに一瞬ギョッとするグロテスクさを感じたが、“捨てられた赤ん坊のおもちゃ”という絵面にやるせなさも覚えた。もしかしたらヘビーなメッセージが込めているのかもしれないが、そこをさりげなく見せるあたりが大人の鑑賞にも堪えうるピクサーアニメの真骨頂だろう。子供時分に見たものを大人になって見返したら、また別の物が見えてきた‥なんてことは、この年になるとたまにある。このシーンなどは正にそうなること必至なシーンで、ピクサーはちゃんとそこも見据えて作っているから凄い。
[ 2010/09/02 02:30 ] ジャンルアニメ | TB(0) | CM(4)

ありのさんへ、僕もこの作品を見たのですが、(1・2ともに映画館では見ていない。)この3は映画館で見る事が出来たのですが、作品自体はとてもすばらしかったけど、(僕が見たのはデジタル3D版(他にもIMAXデジタル3D版もあるそうです。))あの、ケンとバービーのイチャつきぶりや「おもちゃ達」を監視する「シンバルをバンバンたたきキーキーと奇声を発する」猿のおもちゃに「?」をつけたいくらいです。それから、今回も短編アニメが本篇開始前にちらっとやっていたのですが、(題名はナイト&デイ)面白かったのですが内容がいまいちわかりませんでした。補足僕が、ある大型玩具店に行った時の事ですが、バズ、ウッディ、ジェシー、ロッツォ・ハグベア等の主要キャラが商品化されていたのでびっくりしました。
[ 2010/09/03 05:11 ] [ 編集 ]

こんばんは、にょろ~んさん。
ピクサー作品は時々大人向けなテイストを入れてきますよね。ちょっとした醜悪さ。それが作品のスパイスになっていたりするので、そのあたりを含めて楽しむのがベターかと思います。
そういう意味で言えば、今回の短編作品にはセクシーなユーモアもありましたね。ちょっと大人向けです。テーマは、持つ者と持たざる者が互いを理解しあう‥という、非常に友愛に満ちたものだと思いました。
[ 2010/09/04 01:35 ] [ 編集 ]

今晩は、ありのさんレスありがとうございます。実は、この映画に「トトロ(となりのトトロ)」が出演していたんですよ。この作品に「トトロ」が出演できるのは、「スタジオジブリ」と「ピクサー」が「友好関係」でも結んでいるのでしょうか?実際、エンド・クレジットにもtoshio suzuki(鈴木敏夫さん/プロデューサー)とhayao miyazaki(宮崎 駿さん/監督)の名前がUPされているほどですから。「崖の上のポニョ」などの「ジブリ作品」の映像ソフト(DVD/ブルーレイ)は、「ディズニー」が販売してますからね。
[ 2010/09/07 22:37 ] [ 編集 ]

こんばんは。にょろ~ん。さん。
ディズニーとジブリは配給もしあう仲ですから「友好関係」にあると思います。また、ピクサーもジブリとはクリエイティブな面では切っても切れない関係にあると思います。製作チーフのJ・ラセターは宮崎アニメの大ファンですから、今回トトロが出演していたのもうなずけます。
[ 2010/09/10 01:46 ] [ 編集 ]

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