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借りぐらしのアリエッティ

小人目線で描かれる世界観にはワクワクさせられる。
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(2011/06/17)
不明

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「借りぐらしのアリエッティ」(2010日)星3
ジャンルアニメ・ジャンルファンタジー
(あらすじ)
 小人の少女アリエッティは、郊外の古い屋敷の床下に両親とひっそりと暮らしていた。そこに病気療養のために人間の少年・翔がやって来る。ある晩、アリエッティは父と一緒に角砂糖とティッシュを借りようと翔の部屋に忍び込んだ。ところが、油断していた隙にアリエッティは翔に姿を見られてしまう。ショックを受けたアリエッティは角砂糖を落としてしまった。その日は収穫無しで床下に帰った。翌朝、彼女が外に出てみると、そこに昨日落とした角砂糖が置いてあった。
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(レビュー)
 小人の少女と人間の少年の交流をハートウォーミングに描いたジブリ製作のアニメーション。原作はイギリスの児童文学、それを日本の田舎町に舞台を移して描いている。

 今回、宮崎駿は脚本のみの参加である。監督はこれまで数々の宮崎作品で原画マンとして活躍してきた新人に任せている。

 宮崎監督は自ら原画を描くことで独自の世界観を頑なに堅持する類まれな才能の持ち主だと思う。他人に任せるのではなく自分でやる。それが彼のポリシーであり、ジブリ・ブランドを盤石にした要因でもあろう。今回の新人監督もアニメーター出身という所では共通しており、一つ一つのキャラクターの動きについては随分と細かなこだわりが感じられた。クオリティの高いアニメーションで実に見応えがあった。
 また、アリエッティたちが住む床下の居住空間には、人間たちが普段使う日用品や雑貨、たとえば腕時計、ボタン、郵便切手、鉛筆といったものがあちこちに散りばめられており、この遊び心に満ちた空間も見ていて実に楽しい。待ち針やすべり止めの活用法も面白かった。
 全体的に映像に関してはこれまでのジブリ作品同様、満足できた。

 物語の方は、ここ最近のジブリ作品は割と話のスケールが大きな作品が続いたせいか、それらと比較すると若干小品的な味わいになっている。アリエッティたち小人の目線で紡ぐドラマなので、物語の舞台は屋敷の敷地からほとんど移動せずこじんまりとした印象を受ける。小人と人間の交流というファンタジックな物語は、従来のジブリ映画ならいくらでも大きく広げることが可能だったはずである。しかし、今回は原作の世界観を守ったためなのか、敢えて小さくまとまっている。

 もっとも、限られた空間を逆手に取った様々なエンタメ的なサービスシーンがふんだんに盛り込まれているので、決して作品自体が地味というわけではない。例えば、小人目線で見る人間や動物に対する恐怖などは臨場感のある作画によって見事に再現されていた。その昔、アメリカのテレビ映画で「巨人の惑星」というのがあったが、あれに似た興奮が味わえた。

 また、相容れない人間世界に単身乗り込むアリエッティの勇気と好奇心は実にチャーミングだった。彼女にとっての一夏の冒険、恋愛ドラマは面白く追いかけることが出来た。

 加えて、このドラマには異種の対立と融和というテーマも隠されている。支配する側と支配される側の関係、つまり人間と小人の関係は、文明対自然という従来の宮崎アニメで描かれてきたテーマに重ね合わせて見ることが出来る。こうしたテーマもよく伝わってきた。

 一方、人間サイドの描写については、やや描き不足な感じを受けた。純粋で平穏に生きようとする小人たちの心情はよく伝わってくるのだが、人間たちは一体何を考え何を思って行動しているのか?そのあたりの所が今一つ分かりづらかった。主に気になった点が2つある。
 クライマックス近くで翔がアリエッティのためにある行動に出るのだが、これはこの年齢の少年にしては思慮に欠ける行動に思えてしまった。そもそも、どうやって彼はアリエッティ達の仮住まいを見つけることが出来たのだろうか?そこに説得力が備わっていない。
 もう1点は、ハルさんの小人に対する異常な執着心がエキセントリックに写ってしまったことだ。ここまで彼女を小人探しにのめり込ませる動機は一体何だったのだろう?そこを曖昧にしたままドラマが進行するので、見る方としてはドラマに入り込みづらくなってしまう。

 小人サイドで綴るドラマなので、人間サイドのドラマが疎かになってしまうのは仕方がないことだが、せめて翔のキャラクターの掘り下げだけは必携だったように思う。彼は世の中をどこか達観した眼差しでみつめ、ややもすると超然としたキャラクターに見えてしまう。そこにリアリティをもたらすべくキャラクターの造形をしてこなかったツケが、ラストの感動を若干削いでしまっているような気がした。
[ 2012/07/11 01:44 ] ジャンルアニメ | TB(0) | CM(2)

こんにちは、ありのさんへ。
まず、最初にこの作品を見るきっかけはある出版社が募集していた合同試写会でした。
そして、この映画の主題歌と音楽を担当している、セシル・コルベルさんと更に、神木隆之介さん(最新作「桐島、部活やめるってよ。」が公開中。)、志田未来さん、竹下景子さん、樹木希林さんらの個性的な出演者が印象に残りました。特に、樹木希林さん演じるお手伝いさんのハルさんの存在が物凄く強烈でした。それから、今年の9月には「浅草シネマ」と「浅草世界館」(この2つは「成人映画」専門。)さらに10月には邦画専門(3本立て)の「浅草名画座」、「浅草新劇場」、洋画専門(2本立て)の「浅草中映劇場」相次いで閉館されるそうです。また2013年3月末日には、銀座唯一の名画座である、銀座シネパトスの閉館も決まったそうです。「映画館のデジタル化と複合大型化の流れ」の中で、こういう「古き良きもの」が消えてなくなるのは寂しい限りです。
[ 2012/08/12 17:55 ] [ 編集 ]

こんばんは、にょろ~ん。さん。
名画座はどこも苦戦しているようですがこうして相次いで閉館となると寂しい限りですね。
個人的に銀座シネパトスには色々と思い出があります。
これも時代でしょうか‥。
[ 2012/08/15 01:05 ] [ 編集 ]

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