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アイアン・スカイ

同じ「ダークサイド・ムーン」でもこっちはかなりブラック。この際どいジョークについてこれるか!?
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「アイアン・スカイ」(2012フィンランド独オーストリア)星3
ジャンルSF・ジャンルアクション・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 西暦2018年。アメリカ大統領は次期選挙の人気取りのために月面着陸を成功させた。ところが、乗組員の黒人モデル、ワシントンは月の裏側に謎の巨大建造物を発見する。それは第二次世界大戦時に逃亡したナチスの残党が作った秘密基地だった。彼らに捕まったワシントンは地球侵攻のガイド役にさせられ、アドラー准将と彼の婚約者レナーテと共に地球に降り立つ。
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(レビュー)
 月面の裏側に逃げ延びたナチスの残党が地球めがけて侵攻してくる突っ込みどころ満載なバカ映画。あろうことかドイツまで製作に参加しているという毒気タップリなSFコメディである。
 ただ、スペース・ナチスの侵攻先がアメリカであることを鑑みれば、これは明らかに現在のアメリカに対するアンチテーゼに他ならない。その意を汲み取れば、実はかなり辛辣なコメディでもある。

 監督・脚本はこれが初の劇場用作品となる新人監督ティモ・ヴォレンソラ。
 実は、本作は極めて異例な形で製作資金の調達をしてきた作品である。パイロット版を作りそれをネットで公開して資金の不足をカンパで募ったのだ。自分も随分前にその映像を見たのだが、失礼ながらまさか本当にこうして1本の長編映画として完成するとは思ってもみなかった。
 確かに月からナチスが攻めてくるというというアイディアは面白いと思ったが、映像は極めてB級的でお世辞にもよく出来ているとは言い難い。正直、ネタだとばかり思っていた。それが実現したのだから、よほど世界中にはこういうバカ映画を愛してやまない人間が多いのだろう。

 こうして作られた今作だが、映画の出来自体について言えば、下手な個所もあったがよく出来ている方だと思った。パイロット版にあった"ハッタリ″をそのまま活かしながらエンタテインメントとして上手く昇華している。チープだった部分もブラッシュアップされ中々迫力のある映像に仕上がっている。ただ、元々あったチープさを敢えて残しているような箇所もあった。おそらくそこはパイロット版を見てくれた人に対するご愛嬌なのだろう。

 ちなみに、彼が自主製作した「スター・トレック」のパロディ映画「スターレック 皇帝の侵略」(2005フィンランド)もネットで公開されていたので随分昔に見たことがある。ストーリーは今一つだったが戦闘シーンはアマチュアとは思えぬ出来で中々楽しめた。

 さて、全編突っ込みまくりの本作だが、見所は何と言ってもクライマックスの戦闘シーンとなろう。かなり派手なドンパチが繰り広げられている。宇宙に浮かぶ飛行船という画面からして実にバカバカしいのだが、それを真面目に作っている所に製作サイドの気概を感じた。

 それと、後半に行くにつれて危険さ、ブラックさを増していくギャグ。これも魅力的だった。「博士の異常な愛情」(1964英米)のオマージュがかなり出てくるので、この監督は相当好きなのだと思う。確かに人を選ぶ"笑い″だが、ここまで皮肉を利かせてくれると歯ごたえも感じる。

 一方、ストーリーはやや日和見で中盤あたりが少々だれるのが残念だった。奇抜な設定の割に今一つ捻りに欠けるのも物足りない。
 たとえば、アドラーがアメリカ大統領の下働きに収まるのはいただけない。この映画はストーリーを軽快に進めるために設定やエピソードをかなり刈り込んでいる。しかし、それがかえってストーリーの説得性を失わせてしまっているような気がした。時系列的にかなり無茶な展開も多い。所詮コメディなのだからそのあたりは流してよ‥ということなのだろうが、それによって笑いの波に乗れるかどうかが決まってくる。自分はかなり引っかかりを覚える脚本だった。

 キャストではレナーテ役の女優が良かった。最初はそれほど魅力的に感じなかったのだが、後半に行くにつれてどんどん可愛くなっていく。
 それと総統を演じたウド・キアの嬉々とした演技。本人の中ではまだまだやり足りないんだろうなぁ‥という感じに見えたが、楽しそうに演じているところが良かった。
[ 2012/10/07 01:06 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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