勢い余るこのアクション。インドネシア映画恐るべし!
「ザ・レイド」(2011インドネシア)
ジャンルアクション
(あらすじ) 麻薬王リヤディ逮捕の任務を受けて、警察のSWAT隊が彼のアジトに突入する。そこは彼の部下達が根城とする高層マンションだった。見張りを殺して上階に進んでいく部隊。ところが敵に感づかれて猛反撃を食らう。新人警官ラマを含めた数名の隊員たちの必死のサバイバルが始まる。
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(レビュー) インドネシア発のアクション映画。
ド派手な格闘シーン、銃撃シーンが最初から最後まで続く問答無用なエンタテインメント作品で、こういうのは理屈抜きに純粋にアクションのみを楽しむべきであろう。また、作り手側の意気もその一点に集中している。
実際、ラマ役を演じた俳優はシラッドと呼ばれる伝統武術の使い手らしく、彼の活躍ぶりには目を見張るものがあった。また、リヤディの片腕マッド・ドッグの常人離れした動きも素晴らしい。
シラッドについてはほとんど知らないが、これまでのカンフーアクションよりも喧嘩殺法と言った感じが面白いと感じた。以前紹介した
「アジョシ」(2010韓国)にもシラッドのアクションが使われていたらしいが、さすがは本場物である。素人目で見ても本作の方が一枚も二枚も上手という感じがした。
特に、クライマックスは壮絶で、これほどタフな格闘シーンを見せつけられると他の格闘系映画が甘っちょろく感じてしまう。見ているこちらもヘトヘトになってしまった。
映像演出も凝ったものが多くて面白かった。特に、前半の緊張感を漂わせた侵入シーン、中盤のラマと負傷した警官が壁の中に隠れるシーン等、スリリングさを狙った手練れた演出には唸らされる。
ただ、これは編集の甘さだろう。アンディのエレベーターをカットバックで切リ返してしまったのは演出上のミスとしか言いようがない。時間経過が不自然に感じた。
一方、アクションが売りの映画なのでドラマ性はかなり簡素である。今回の作戦に絡んで暗躍する陰謀、ラマとアンディの関係といったミステリが用意されているが、正直な所いずれも食い足りない。アクション自体は見ててスッキリするがドラマには突き抜けた感動が無かった。もしかしたら続編を考えているのかもしれないが、エンディングが引き締まらないのも残念だった。