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陸軍中野学校 雲一号指令

市川雷蔵演じる諜報部員・椎名次郎の活躍を描いたシリーズ第2弾。
陸軍中野学校 雲一号指令 [DVD]陸軍中野学校 雲一号指令 [DVD]
(2012/06/29)
市川雷蔵、村松英子 他

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「陸軍中野学校 雲一号指令」(1966日)hoshi2.gif
ジャンルサスペンス・ジャンルアクション
(あらすじ)
 神戸で大型軍用船が何者かによって爆破される。陸軍中野学校を卒業した椎名次郎は、草薙中佐の命令で同僚の杉本と共に捜査に乗り出した。杉本は港湾の警備室に潜り込み本川という男に目を付ける。一方、彼の足取りを追っていた次郎は、その先で梅香という人気芸者と接触する。彼女は神戸憲兵隊の隊長の愛人だった。
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(レビュー)
 市川雷蔵主演で送る「陸軍中野学校」シリーズの第2弾。

 前作は次郎がスパイになっていく過程を描いたドラマだったが、今作からいよいよ実戦に身を投じていくようになる。今回彼が追うのは大型軍用船の爆破犯。本格的なスパイ・ミステリーを目指した作りになっている。

 主演を果たした市川雷蔵のニヒルな佇まいは前作同様、今回も実に様になっている。「スパイに私情は禁物‥」という草薙中佐の教えを忠実に守る姿に非情な運命を見ずにいられない。特に、病気の母にまつわるエピソードは白眉だった。

 一方、肝心のサスペンスはというとこちらは今一つである。今回の事件には梅香という芸者が絡んでいるのだが、次郎は真相を暴こうと変装して彼女の座敷を度々訪ねる。互いに相手の正体を知っており、このあたりのふたりの駆け引きは中々魅せる。

 ただ、いかんせんプログラム・ピクチャー故の限界も感じられ、演出に強引な箇所が見受けられる。例えば、クライマックスの爆弾探し、佐々木の顛末、犯人の自白後の処理の仕方。このあたりは雑然としている。爆破はチープだし、あの落ち方でああはならないし、流血しないのも何だか白けてしまう。

 監督は森一生。前作の増村保造に比べるとスマートな演出で見やすいと言える。ただし、余りにも全う過ぎて面白みには欠ける。プログラム・ピクチャーを主な活動場としていたベテラン監督なので低予算に適した作りにはなっているが、先に挙げた例のように所々の詰めの甘さが惜しまれた。

 キャストでは、梅香を演じた村松英子が良かった。朗らかな表の顔と冷淡な裏の顔。このギャップに見応えを感じた。
 また、草薙役の加東大介も前作同様、良い味を出している。彼は中野学校の生徒にとっては非情な教官だったかもしれないが、実は生徒思いな優しい一面も持っている。次郎の母親に対する献身的な看護などにはそれがよく表れていた。
[ 2013/04/22 01:05 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(2)

お疲れ様です。
確かに、終盤の特撮?シーンはお粗末だったと思います。
この内容で続編がまだ作れたのは、
興行成績がまずまずだったのか、それとも元々5部作の予定だったのかについては、
今となっては神のみぞ知ると言った感じでしょうかね…。
あちこちで剥がれかけていたメッキが、
雷蔵丈というスタァの存在で何とか繋ぎとめていたのではと思います。
良い意味で印象に残ったのは序盤での神戸の街を見下ろすシーン、
白黒画像だからこそ逆に戦前っぽく見せられたのかなと思います。
今回はこれにて。
[ 2013/04/23 21:32 ] [ 編集 ]

こんばんは。
大映の看板スタァだった市川雷蔵の人気が今シリーズを支えた最大の要因だったと思います。
内容に色々と難ありですが、彼の魅力はよく出ているシリーズですので、おそらく受けも良かったのではないでしょうか。
モノクロというのも予算の関係でそうなったのかもしれません。
‥が、それがかえって雰囲気を上手く作り出している部分もありますね。
[ 2013/04/26 01:49 ] [ 編集 ]

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