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陸軍中野学校 開戦前夜

シリーズ最終章。
陸軍中野学校 開戦前夜 [DVD]陸軍中野学校 開戦前夜 [DVD]
(2012/06/29)
市川雷蔵、小山明子 他

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「陸軍中野学校 開戦前夜」(1968日)星3
ジャンルサスペンス・ジャンルアクション
(あらすじ)
 昭和16年11月、日米交渉の真っ只中、椎名次郎は極東米英軍から機密情報を得るべく香港へ飛んだ。次郎はイギリス軍のダイク大佐が宿泊するホテルに忍び込み極秘資料を入手する。しかし、敵に捕まり拷問にかけられた。その後、彼は現地の柏木中佐に救出される。次郎は汚名を挽回をするために、御前会議のメンバーの一人、大原博士に近づくのだが‥。
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(レビュー)
 市川雷蔵主演のスパイ・シリーズ第5弾。
 今回はサブタイトルにもある通り、真珠湾攻撃の前夜を舞台にしたスパイ合戦物となっている。

 例によって90分弱のお手軽プログラム・ピクチャーゆえ、ストーリーに色々と穴は見つかるが、これまでに比べると随分と演出はスマートになっている。監督は前作に引き続き井上昭が務めている。

 本作の演出の特徴の一つとして、シーンの省略が挙げられる。見ようによっては乱暴な展開という言い方も出来るが、こういうサスペンスは一々克明に描いていたのでは野暮ったくてつまらなくなってしまう。見ていて訳が分からなくなるというのは大問題だが、決して混乱するというほどではなく上手くメリハリが付けられていると思った。

 緻密な演出も所々に見られた。特に、次郎と秋子の料亭での会話シーンは素晴らしい。二人のセリフをパンで繋いで、その後に窓ガラス越しに捉え、更にガラスに映る表情で切り替えす。ガラスを利用したアングルで二人のセリフを表現しきったところは見事だった。

 ただ、先述の通りシナリオ、演出上の不満は幾つか見つかる。
 例えば、看護士の部屋を探らなかったのは、これまでの次郎のスパイ歴から考えるとありえないことであろう。一発で証拠を掴めるというのに彼は敵がボロを出すのをじっと待つのみである。これには納得がいかなかった。
 他に、敵のスナイパーの照準が反対側から当てられているなどといったミスも見つかる。こうした致命的なミスは見過ごす訳にはいかない。

 尚、このシリーズは今作をもって終了となる。
 市川雷蔵はこの年に病に倒れ、翌年に38歳という若さで亡くなった。彼は生まれつき胃腸が弱く、撮影中に下血をしたというエピソードも残っている。それを考えると本作は正に命がけの撮影だったのかもしれない。
 もし存命だったら今頃は80歳である。一体どんな役者になっていただろう‥。急逝が忍ばれる。
[ 2013/04/28 02:15 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(2)

お疲れ様です。
私が最初にこの中野学校シリーズを視たのは高校三年時のテレ東の深夜映画放映でした。
ヘンに日本語が上手な敵方P機関(ペンタゴン?)のスパイの台詞、
『NO!ウソダメデス!アナタニホンスパイデス!!』に、
何だこのインチキ外人は、と思ったのが全ての始まりでした。
大学在学中にレンタル屋で借りて視たり、
NHKBSで視たりとしてフルコンプしましたが、
去年のDVD廉価版再発の際に一挙購入しあらためて視直し、
最初に視てたときには分からなかった事、
例えば当初は悪玉ヒロインだけだったのを3作目から善玉ヒロインも登場させるようになった、
キャラの設定展開方法、3作目での同僚杉本の退場と4作目からの中野学校の後輩を登場させるなどの、
物語中でのキャラの動かし方を学べたように思います。

雷蔵丈、華がある方ですね。長寿を全うすればこの国の映画史も変わっていたかと思えます。
『ぼんち』など他の雷蔵丈出演作品も視てみましょうかね…。
今回はこれにて。
[ 2013/04/29 22:46 ] [ 編集 ]

あやしい日本語を話す外人さんは東宝特撮でもお約束のように登場してきます。今となっては可笑しく見れますが、当時の人々にとっては国際色が加わることでちょっとばかり華やかな感じに写ったのではないでしょうか。

ヒロインの魅力も前作辺りから強化されているような気がします。シリーズする上での差別化としてこのあたりは上手くいっていたように思いますね。
[ 2013/05/02 03:46 ] [ 編集 ]

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