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スプライス

異形の怪物を生み出してしまった科学者夫婦の恐るべき愛憎ドラマ。
スプライス [DVD]スプライス [DVD]
(2011/04/20)
エイドリアン・ブロディ、サラ・ポーリー 他

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「スプライス」(2008カナダ仏)星3
ジャンルホラー・ジャンルSF
(あらすじ)
 クライヴとエルサは夫婦であり科学者同士である。大企業の元で動物のDNA実験を繰り返していたが、このたび新しい生命体ジンジャーとフレッドを誕生させることに成功した。エルサはそこに人間の遺伝子を掛け合わせることで、更に新しい生命体"ドレン″を作り出した。ところが、このドレンが異常成長を遂げて行き‥。
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(レビュー)
 異種間遺伝子の交配実験にのめり込んでいく科学者夫婦が体験する恐怖を、刺激的な映像で綴ったSFスリラー作品。

 ジンジャーとフレッドやドレンといったクリーチャーの造形が中々良く出来ているので、余り嘘臭さを感じず最後まで飽きなく見ることが出来た。生理的にかなり気持ち悪かったが、そこはそれ。気色の悪いビジュアルも含めホラー映画としてのハッタリは十分である。及第点以上の出来と言えよう。

 物語は、子供を持てない科学者夫婦が実験によって新しい生命を授かる‥という、かなりメロドラマチックな内容になっている。

 興味深かったのはドレンがメスという点である。彼女は鶏とカンガルーを足して2で割ったような異形の姿をしているのだが、成長するにつれて段々人間らしい姿に変わっていく。

 それまで子供を持ちたくなかったエルサは、彼女のことを実の娘のように愛していく。この心理を紐解いていくと興味が尽きない。というのも、ドレンは元々はエルサ自身の卵子から生まれた生命体なのである。エルサが彼女に特別な愛情を注ぐのは無理もない話で、これは研究者としての使命というよりも、もはや母性から発せられた母親の愛と言ってもいいかもしれない。もしかしたら、エレンの辿ってきた過去の悔恨も関係しているのかもしれないが、いずれにせよ彼女は最初からこの異形の生命体に特別な愛情を注いでいる。紛れもなく母としての愛だろう。

 一方のクライヴはエルサとは反対に、仕事とプライベートを分けて考えるタイプで、ドレンをあくまで研究対象としてしか見ない。ただ、ドレンの成長は異常に早く、急速に成人した人間の女性の体形へと変化していく。こうなってくるとクライヴは、もう彼女を研究対象として見ることが出来なくなってしまう。性の対象として見ていくようになるのだ。研究者と実験体の関係、あるいは疑似父娘の関係を超えた倒錯的な愛が、物語に禁忌的な危うさを付帯させ、この関係も興味深く見ることが出来た。

 こうして物語はクライヴ、エルサ、ドレンの三者の愛憎を軸にしながら展開されていく。こうした母子愛、近親相姦的偏愛はかなり俗っぽいとも言え、ある種昼ドラにも通じるようなドロドロとした鑑賞感も残す。自分はホラー映画と言うよりもメロドラマのように今作を楽しめた。

 ただ、プロットはよく出来ていて面白いと思うのだが、ストーリーの展開についてはやや安易に流され過ぎて、そこは不満に残った。正直もう少し捻りが欲しい。何か逆をいくようなアイディアが途中であれば、更に興味深く見ることが出来ただろう。

 また、幾つかの描き不足、突っ込み所があるのも残念だった。ドレンを段ボールに入れて研究室から連れ出すシーンはお世辞にも上手く撮られているとは言いがたい。ここはもっとスリリングさが欲しかった。
 エルサの過去も、もう少し濃厚に描いてくれた方が、ドレンとの関係性がドラマチックになって良かったと思う。後半から物語の舞台がエルサの生家に移るのだが、ここで子供を持ちたくないという彼女のバックストーリーが判明するかと思いきや、そこについてはほとんど触れられなかった。せっかくそれを匂わすような"玩具”や"似顔絵”といった小道具が出てきたのに実に勿体ない話である。これらを上手く使えば、きっとエルサの過去はもっと上手く語れたような気がする。

 監督・共同脚本はV・ナタリ。ご存知の方もいるかもしれないが、彼は「CUBE」(1997カナダ)で衝撃的な監督デビューを果たした才人である。その後今一つパッとした活躍がなかったが、今回は久々の快作と言っていい。SF設定のアイディアと濃厚なメロドラマ、キッチュなビジュアルフック等、これまで以上に見応えのある作品に仕上がっている。

 キャストではエルサを演じたS・ポーリーの好演が光っていた。一方、クライヴ役のA・ブロデイは今回も演技が1本調子で食い足りなかった。また、これは演技云々ということではないのだが、両者とも随分と軽い造形になってしまっている。科学者夫婦らしからぬ出で立ちに少し違和感を持ってしまった。

 ところで、ジンジャーとフレッドと言えば、フェリーニの映画「ジンジャーとフレッド」(1985伊仏西独)を思い出さずにいられない。この映画は、老タップダンサーがテレビの共演で久々に相方に再会するという話なのだが、それをフェリーニが独特の魔術的演出で楽しく描いている。今回の怪物たちのネーミングは明らかにそこから拝借したものであろう。このセンスは中々気が利いている。
[ 2013/06/15 01:46 ] ジャンルホラー | TB(0) | CM(1)

キャラ整形ヴァニラだよぉ~

ホントに(゜゜)?
[ 2013/06/16 00:47 ] [ 編集 ]

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