更にパワーアップした続編。
「チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル」(2003米)
ジャンルアクション・ジャンルサスペンス・ジャンルコメディ
(あらすじ) ナタリー、ディラン、アレックスはテロリストに監禁されたFBIの要人の救出作戦に出動した。作戦は成功したかに思えたが、実はテロリストの目的は要人が持っていた指輪だった。そこには連邦証人保護プログラムに関する情報が隠されていた。3人はそれを取り戻すべく再び危険なミッションへ挑んでいく。
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(レビュー) 往年の人気TVシリーズをリメイクしたアクション快作
「チャーリーズ・エンジェル」(2000米)の続編。
監督、キャストが前作と同じということでテイストは一緒‥いやむしろタイトルに「フルスロットル」と付いてるだけあって更に盛ってきたと言う感じである。前作は徹頭徹尾お気軽に見れるバカ映画だったが、今回は更にそのバカさに磨きがかかっている。野暮な突っ込みは止めて頭の中をからっぽにして楽しむべきであろう。
まず何と言っても冒頭のアクションシーンからして、CGを絡めたマンガチックな表現になっている。このコミックブック・スタイルこそ、監督マック・Gの特質だろう。更に過剰に、更にスタイリッシュにという監督の狙いが感じられる。また、中盤のバイクアクションには腹を抱えて笑わせてもらった。これもCGを過度に使ってエクストリーム感をさく裂させている。もっとも、バイクアクションのバカ映画殿堂と言えば、以前見た
「トルク」(2004米)が何と言っても一番であるが‥。今作のアクションは流石にそれを超えるほどではなかったが、それでもバカ映画としてはかなり豪快な絵面になっている。
一方、シナリオはというと、こちらは前作よりも少し複雑になっていて、気軽に見るバカ映画としては余り感心しない出来となっている。
物語はエンジェルスの3人の友情を軸に展開さる。ディランの引退話をきっかけにチームは崩壊の危機にさらされ、それにどう対処していくのか?という所が見所になる。しかしながら、ドラマは余り盛り上がらない。原因は三者の葛藤がバラバラの方向を向いてしまったからである。おそらくディランの葛藤を中心に構成すればもっとストレートで力強い物語になっていただろう。しかし、どういうわけかナタリーとアレックスにも夫々に悩ましい問題を抱えさせ、チーム崩壊の危機のお膳立てをしてしまっているのだ。また、肝心のクライマックスも分散した戦いで繰り広げられており、これではカタルシスも生まれてきにくい。
今回の敵役はマディソンという強烈な個性を放つ元エンジェルである。美容整形をしてスクリーンに復活したD・ムーアが演じたということでかなり話題にもなった。これは個人的意見だが、彼女のヒール振りを前面に押し出しながら、ディランの葛藤に乗せる形でクライマックスを盛り上げるべきだったのではないだろうか。
要所のノリは前作以上にハイテンションで良いのだが、ストーリーがどうにも中途半端な作りで残念だった。