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[リミット]

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(2011/04/15)
ライアン・レイノルズ

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「[リミット]」(2010スペイン)star4.gif
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 イラクでトラックの運転手をしているポールがゲリラに襲われる。目を覚ますとそこは棺桶の中だった。ポールは傍にあった携帯電話で警察に助けを呼ぶが、まともに取り合ってくれない。会社に連絡しても上司に取り次いでくれなかった。次第に焦り始めるポール。そこに犯人から電話がかかってくる。ポールは犯人から500万ドルの身代金を政府に要求しろと言われる。
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(レビュー)
 土中の棺桶に閉じ込められた男の恐怖をワンシチュエーションで描いたスリラー。

 アイディア勝負の低予算映画で、個人的にはこういうのは好きである。ストーリーは密閉された狭い棺桶の中だけで展開され、登場人物もポールただ一人。必要最小限の道具を使って上手く恐怖が盛り上げられていると思った。、

 まず、なんと言っても木製の棺桶という狭苦しい空間が面白い。ポールは自分の置かれた状況をまったく理解できずに焦る。そして、近くに置いてあったライターと携帯電話を頼りに情報を手繰り寄せていく。この孤独感、恐怖感が素晴らしい。過去に「レバノン」(2009イスラエル仏英)という戦争映画を見たが、アレに近い印象を持った。閉所恐怖症の人には、きっとキツい映画だろう。

 ポールと犯人のやり取りも、ストーリーをスリリングに転がしていて中々良く出来ている。犯人は実に狡猾な方法でこの誘拐事件を計画していたことが、ポールとのやり取りから判明してくる。遠くからニヤニヤしながら高みの見物を決め込んでいる犯人の顔が想像できて憎々しい。ポールは怒りを増幅させながら犯人に対峙していくのだが、圧倒的不利の状況ではただ彼の言いなりになるしかない。この歯がゆさ、焦燥感がよく出ていると思った。見ているこちらも自ずとポールに感情移入してしまう。

 また、会社の人間や政府の人間といった、本来ポールの味方であるはずの人々が案外薄情だったりする所も中々リアルだ。事件を表沙汰にされたくないという彼らの隠蔽体質にはゾッとさせられてしまう。先の東日本大震災以降の政府や企業の対応を見ればよく分かる。ポールを取り巻く環境は酷く残酷である。

 ただ、一方でポールに非が無かったかと言われると、そうではないとも言える。これがこの映画の面白い所で、現在のアメリカを証憑している部分とも言える。
 例えばいきなり会社の事務員に電話越しに怒鳴り散らすなんて、普通に考えたらありえない言動である。これでは相手だってまともに取り合ってくれないだろう。パニック状態に陥っていることを考慮しても、彼はもっと冷静に対処しなければならなかったのである。
 この事から考えるに、ポールという男は普段からこうなのだと思う。結果的に彼はこの性格のせいで自分の首を絞めることになってしまった。だとすると、この映画は実に皮肉的な映画かもしれない。要するに、ポールはイラク戦争を始めた”傲慢な国”アメリカの暗喩とも捉えられるのだ。そこに本作の社会派作品としての歯ごたえが感じられる。

 映画は後半に入ってくると、ポールと愛する家族とのやり取りも描かれている。施設に入っている母親との会話にはしみじみとさせられた。緊張感が続く中にこ、こうしたペーソスを織り込んでくるあたりは中々巧みである。ストーリーは上手く緩急をつけられていると思った。

 そいて、終盤からは映画は畳み掛けるように展開されていく。携帯電話や懐中電灯のバッテリーが切れそうになったり、"招かざる客″が侵入してきたり、犯人から衝撃的な映像が送られてきたり、どんどんポールの立場が追い詰められていくようになる。
 そして訪れる衝撃のラスト‥。ここまで引っ張っておいてこれかい!的なオチではあったが、やはりここにもアメリカのイラク侵攻に対する批判が読み取れた。ある意味では、かなりのカウンターを持った映画とも言える。

 監督・脚本はこれがデビュー作となるロドリゴ・コルテス。彼は今作で注目されハリウッドへ渡った。次作「レッドライト」(米スペイン)はいずれ見てみたい。

 キャストではポールを演じたR・レイノルズの熱演に見応えを感じた。ほとんどが彼の一人芝居で、この熱演はもっと評価されて然るべきである。
[ 2013/09/04 02:17 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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