怪獣てんこ盛りのバトル映画。
「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」(2009日)
ジャンル特撮・ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ) ウルトラマンベリアルは、ウルトラ戦士の故郷、光の国を追放されて幽閉される。そこをレイブラッド星人の手によって解放された。ベリアルは、100体の怪獣を召喚できるギガバトルナイザーを手に光の国に復讐を果たした。難を逃れた一部の戦士たちは、ベリアルに敢然と立ち向かっていく。
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(レビュー) 元々はカードゲームから派生したTVシリーズがあり、その流れから製作された映画である。尚、今作の前に「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」、「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEO」2本のTVシリーズが放映された。そちらは未見である。
正直、ストーリーがゴチャゴチャして今一身が入らなかった。
一応主人公は先のTVシリーズ同様レイだと思うのだが、彼は自ら変身して戦うわけではない。彼は怪獣を召喚して戦うのだ。そこにそもそもの問題があるように思った。最終的に今作の最強の敵ベリアルと戦うのは、同じように光の国を追われたウルトラマンゼロである。これでは何だかゼロが主役のように思えてしまう。こういうストーリーではカタルシスが生まれてこない。
尚、ウルトラマンゼロは今作で初登場した後、人気を博して様々な作品で展開を見せていくようになる。
「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」(2010日)でも活躍を見せていた。
他にも様々なキャラが登場してきて、全体的に詰め込み過ぎな感がする。例えば、ウルトラマンダイナなどは脈絡なく登場してきて活躍するのだが、あくまで画面を賑わすサブ的な要員でしかない。ダイナ独自の戦いが描かれるわけではなく、本筋に食い込むだけの必要性が余り感じられなかった。
今回は大怪獣バトルと名打っているだけあって、いわゆるオールスター物になっているわけだが、見た目のお祭り感はよく出ているが、実際にそれがストーリーを上手く盛り上げているかと言われると正直微妙な感じがした。
一方、アクションシーンに関しては中々見応えが感じられた。監督の坂本浩一はアメリカやニュージーランドを拠点に活躍した才人らしく、それが良い意味で旧来のバトルシーンを一新している。CGとワイヤーアクションを駆使したスピーディーな格闘シーンは非常に刺激的である。特に、序盤のベリアルとウルトラ戦士たちの戦いは、さながらジャッキー・チェン映画のような躍動感が感じられ興奮させられた。
また、基本的に今作は復讐劇というハードなドラマになっているが、所々にコミカルな演出を用意している。これも映画を見やすくしようという監督のサービス精神が感じられて良かった。暴走したレイをヒュウガがパンチで沈めるシーンは、まるで冗談みたいな演出だったが、思わず笑ってしまった。
また、呆気なく倒されてしまうダダ星人もヲタヲタ逃げ回るだけで何だか可愛らしかった。今作には100体もの怪獣が登場してくる。懐かしい怪獣、知らない怪獣がたくさん出てくる。そういう意味では、ちょっとしたお得感が味わえる映画かもしれない。