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映画ありのまま

こんにちはorはじめまして、ありのと申します。 ここは見た映画について気ままにレビューを垂れ流すブログです。

PiCNiC

2013.09.20(03:28)
美しくて残酷な青春寓話。
PiCNiC [DVD]PiCNiC [DVD]
(2000/11/15)
Chara、橋爪こういち 他

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「PiCNiC」(1996日)星3
ジャンル青春ドラマ
(あらすじ)
 少女ココは両親に連れられて精神病院にやってきた。彼女はそこで教師を殺害したツムジと彼の親友サトルと出会う。ある日、3人は病院の塀の上を歩いて外の世界に出た。やがて彼らは1軒の教会に辿りつく。ツムジは神父から聖書を貰い、突然信仰心に芽生えた。そして、世界の破滅を信じ込む。やがて3人は、世界の最期を見ようと歩き始めるのだが‥。
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(レビュー)
 若者たちの刹那的な生き様を描いた作品。

 監督、脚本、編集は岩井俊二。いかにも氏らしい浮遊感を漂わせた寓話になっており、儚く残酷で美しい青春ドラマが綴られている。

 鑑賞順は前後してしまったが同監督の「リリイ・シュシュのすべて」(2001日)に共通するようなテーマが読み取れたことは興味深い。「リリイ・シュシュ~」は、孤独な若者たちが偶像であるアーティストにのめり込んでいく話だったが、ここでは同じように世間から孤立する若者たちが世界の破滅という、ある種夢想に取り込まれていくというドラマになっている。大人たちが彼らを抑圧する存在であることも共通していて、この両作品にはかなりの相似点が見られた。

 そして、ここでも岩井俊二は常に若者たちの目線に拠ってドラマを紡いでいる。
 ツムジ達は過去に事件を起こして、ここにやってきた精神疾患者である。ある意味では、無垢な子供たちとも言えるが、それゆえ彼らの行動は直情的で残酷である。
 例えば、自暴自棄とも言えるラスト。これなどは彼らの純粋さがよく表れたシーンである。世界の終わりを求めてさ迷い歩いた彼らは、結局現実を捨て夢に生きることを選択する。この余りにもバカ正直な、そして余りにも哀しいラストは鮮烈である。彼らは純粋すぎたのだろう‥。

 ただ、こうした精神疾患を患った主人公たちなので、彼らの視点に寄ったドラマは当然抽象的で混沌としている。そこは見る方としても手こずる部分である。
 例えば、ココとツムジが何故事件を起こしたのか?その理由は一応セリフでは説明されているが、具体的な背景までは見えてこない。それゆえ、彼らの葛藤もまるで雲をつかむかのようにモヤモヤとしている。そこは観る側が積極的に想像するほかない。また、ツムジが突然神様を信じたり世界の破滅を予言したりするのも、普通に考えたら理解できないだろう。
 このようにココたちは常に奔放で何を考えているのか分からず、そのため彼らの心中にすり寄ることは大変難しい作品となっている。作り方にかなりクセがあるため、好き嫌いがはっきりと分かれる作品だと思う。

 映像は、岩井監督らしい美的感性が随所に炸裂している。特に、真っ青な空をバックにココが塀の上を疾走するシーンの解放感が素晴らしかった。また、フォトジェニックに切り取られたラスト・シーンも忘れがたい。
 一方で病院内の映像は暗くジメジメしたムードで撮られている。ツムジが幻視する教師の造形は、本来の岩井カラーと趣を異にするホラー風味になっているが、これは中々面白かった。特殊メイクが稚拙なため滑稽に見えてしまうのだが、そこも含めて何とも形容しがたい薄気味悪さを覚えた。

 キャストは、ココ役をChara、ツムジ役を浅野忠信が演じている。Charaはカラスの羽根で作った全身黒づくめの衣装を身にまとい、メンヘラ気味な少女を独特のトーンで演じている。浅野忠信は真っ白な服を着て、真っ黒なCharaとの対比を見せている。両者とも演技云々と言うよりも雰囲気が抜群に良かった。尚、二人は今作を機に結婚した。
 一方、牧師を演じたムーンライダーズの鈴木慶一は演技が素人過ぎてダメである。元来俳優ではないのだから、これは完全にミス・キャストと言えよう。

 尚、今作は1994年に製作された作品だが、一部の暴力シーンが問題となり、その部分がカットされて劇場公開された。今回見たのはカットされたバージョンである。その後、2013年のベルリン映画祭で完全版が上映された。現在は完全版がブルーレイでリリースされている。ちなみに、カットされたのは精神病院でココたちが折檻されるシーンらしい。おそらく倫理的な問題でカットされたのだろう。

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