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SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者

SHO-GUNGの友情が愛おしく見れた。
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(2012/11/21)
奥野瑛太

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「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」(2012日)星3
ジャンル青春ドラマ・ジャンル音楽
(あらすじ)
 埼玉で細々と活動するヒップホップ・グル―プ”SHO-GUNG”を脱退したマイティは、東京のインディーズ・グループ”極悪鳥”のパシリをしながらステージに立つ夢を追いかけていた。そして、ついに彼はラップ・バトルの大会で決勝戦に登り詰める。ところが、極悪鳥のリーダーからわざと負けるよう命令される。彼は仕方なくそれに従った。しかし、怒りが収まらなかったマイティはリーダーを暴行して半死の目に合わせた。東京にいられなくなった彼は、恋人を連れて栃木へ逃亡する。そこで不法商売しているヤクザの元で働き始めるのだが‥。
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(レビュー)
 インディーズ・ムービーながらカルト的な人気を博した「SR サイタマノラッパー」(2008日)シリーズの第3弾。尚、この間に第2作「SR サイタマノラッパー2~女子ラッパー☆傷だらけのライム~」(2010日)が製作されている。自分は未見だが、見ていなくても今作は十分理解できた。

 今回は、第1作で”SHO-GUNG”を脱退したマイティのその後のドラマが描かれている。名声を求めて東京に出た彼は事件沙汰を起こして栃木へ渡り、そこでも犯罪に手を染めていくようになる。何をやっても上手くいかず自暴自棄になっていく様は実に鮮烈で、中途半端にしか生きられないルーザーの哀愁に切なくさせられた。

 その一方で、今作はマイティの元仲間、イックとトムの物語もフィーチャーされていく。彼らは今でも夢を諦めずSHO-GUNGとして地道な活動を行っている。栃木で行われるフェスに参加するために遠征するのだが、そこでマイティとどうやって再会するのか?そこがこのドラマの見所である。落ちぶれていくマイティのドラマ、上昇していくイックたちのドラマ。この対比がドラマチックに描かれている。

 特に、クライマックスとなるフェスのシーンは、驚異的な長回し効果もあってかなりの見応えが感じられた。ステージの上と下に分け隔てられた両者に青春の"陽”と"陰”を見てしまう。実に残酷な対比だが、現実の何たるかを厳しく捉えた所に好感が持てた。その後に続くラストシーンも1カット1シーンで撮られており、やはりドラマチックで見応えが感じられた。

 監督・脚本は俊英・入江悠。なんと言っても、彼の特徴はこの長回しの演出にあるように思う。低予算・小規模のインディーズ界では昨今デジタルカメラの普及が目立つが、彼はその汎用性を知り尽くしている監督の一人と言っていいだろう。

 特に、先述のクライマックスにおける、フェスの周囲を回り込む約15分にも及ぶ長回しは見事である。マイティが車から降りてからの一連の動作が、手持ちカメラによって臨場感たっぷりに切り取られている。多くのエキストラ、スタッフを巻き込んだ大掛かりな撮影であり、この労には素直に拍手を送りたい。無論、ドラマ的に言ってもここはキーとなるシーンで、一番盛り上がるシーンとなっている。

 ただ、流石に強引な個所もあって、例えばマイティは一旦会場から逃げ切っているが、あのスピードで、しかもあれだけ大勢に追いかけられたら普通は捕まりそうなものである。おそらく本気で走ったらカメラが追いつけない。だから少し余裕を持った走りになっているのだろう。このあたりはどうしても不自然に見えてしまった。
 他に、マイティがバーの女を灰皿で殴りつけるシーンも、アクションが弱く不自然極まりない。前半で彼が極悪鳥のリーダーを本気で殴っていた迫力に比べれば、何とも間の抜けた演出となっている。

 出演陣は第1作から引き続き変更ない。夫々に敵役だと思ったが、今回はマイティが主役ということで、演じる奥野瑛太のパッションの詰まった演技が印象に残った。第1作ではそれほど目立っていなかったのだが、今回は夢に散っていく姿を鮮烈に演じている。本シリーズをきっかけに彼は次々とTVドラマに出演しているが、今後の活動が楽しみである。イックとトムも相変わらず良い味を出している。マイティを含めた彼ら3人の友情は愛おしく見れた。
 また、今回は舞台となる栃木県から、日光出身のヒップホップ・グループ"征夷大将軍”が出演している。こちらも個性的な4人グループで見ていて楽しかった。イック達に負けず劣らずの存在感を見せつけている。
[ 2013/09/25 16:14 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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