映画ありのまま

初めましてorこんにちは。
わりと気ままに映画の感想を(妄想を交えて!)書き綴っています。ぜひ楽しんでってください〜(´ー`)ノ 
(2008.4.15連絡事項)
少しずつですが記事が増えてきたので、50音字で検索出来るように プラグインを設置しました。
とはいっても、まだまだショボイですが‥。ぜひご利用ください。

ラスト、コーション

2008.03.05(03:35)
見事な映画なのだが、A・リー監督の前作との比較で見てしまうと‥。
以下、感想を述べてみる。


「ラスト、コーション」(2007中国米)星3
ジャンルロマンス、ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 1938年香港。本土出身の女子大生チアチーは、クアン率いる劇団に入部し抗日運動にのめり込んでいく。ことは日本の傀儡政府特務機関のリーダー、イーの暗殺計画にまで及ぶ。チアチーは香港在住の資産家夫人マイに成りすましイー夫人に接近。イーを誘惑して殺害しようとするのだが‥。

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(レビュー)
 悲しい運命を背負った女工作員の愛と葛藤を描いたドラマ。
 監督は前作「ブロークバック・マウンテン」(2005米)に続き本作でもヴェネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いたA・リー。
 彼の作品の一つの特徴として”語らない”演出が挙げられる。映像や演技のニュアンスから人物感情を読み取らせようというものだ。振り返り噛み締めることで、鑑賞後の味わいは一段と豊穣なものとなる。明確に映し出された人物感情によって明確にテーマが打ち出されることが良しとされる今の時代に、敢えてA・リーは観客の感性に問い掛けてくる。考えてみれば随分大胆な創作姿勢だと思うが、近年その演出手腕は冴え渡っている。批評家筋に絶賛されるのも頷ける話だ。

 テーマは「不毛な愛」と捉えた。これはA・リーにとって、切っても切れない普遍的なテーマであるが、個人的には前作に比してインパクトという点では落ちるような気がした。というのも、これはシナリオの問題なのだが‥。
 占領下という時代、政権組織、抗日運動、更にはチアチーのバックストーリーやクアンを含めた周囲の人物像。これら背景が尽く表層的にしか描かれていない。チアチーとイーのスリリングな愛憎劇に絞った描き方をしているので、これら背景を大して気にせずともドラマ自体は不都合なく進行するのだが、しかし前作で社会的な背景をあれだけ主人公達の重荷として背負わせていたのに対して、本作ではどうもその辺りが一転して軽んじられているような気がしてならないのだ。そのため、同じ異形愛を描いても重厚さ、インパクトという点で物足りなく感じてしまう。ハニートラップの末路としてはよくある話だし、そういう意味ではリアリティーも感じるのだが、描き方の問題で興味が削がれてしまった。

 チアチー役の女優はこれが映画出演らしいが、セックス描写に臆することなく果敢に挑んでいる所が好印象だった。特に、同級生と予行練習するシーンには衝撃が走った。何より女として余りにも悲しすぎる。
 それにしても、何かと話題になっている性描写については、驚くほどのものではなかったような気がする。確かにメジャー作品でここまで描くことは稀だと思う。しかし、「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972仏伊)や「愛の亡霊」(1978日仏)といった映画が物議を醸したのは過去の時代だ。

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