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マン・オブ・スティール

新しいスーパーマンを見せようという狙いは評価したい。
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「マン・オブ・スティール」(2013米)星3
ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ)
 惑星クリプトンは滅亡の危機に瀕していた。ジョー=エルは幼い我が子カルに最後の希望を託して、彼を地球へ脱出させた。その後、エルは反乱を起こしたゾッド将軍に殺される。一方、地球に降り立ったカルはジョナサンとマーサ夫婦に拾われる。クリプトン人の超人的なパワーを使うことを禁じられ、エルはクラークという名前で普通の地球人として暮らしていた。ところが、ある事件をきっかけに彼は自分の生き方に迷いを感じてしまう。そして彼は自分探しの旅に出た。そこに宇宙の果てに幽閉されていたはずのゾッド将軍が現れる。

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(レビュー)
 DCコミックの人気作「スーパーマン」の実写映画化作品。尚、今作はシリーズ化が予定されている。

 これまでに何度も映像化されている人気作だが、今までと違うのは、スーパーマンが悩めるヒーローになっていることである。製作・原案に「ダークナイト」シリーズで知られるC・ノーランが携わっている。「ダークナイト」でバットマンを悩める孤高のヒーローとして見事に復活させた鬼才である。当然陰鬱なドラマになっているだろうと想像したが、本当にその通りだった。

 クリプトン星人でありながら地球人として生きていかなければならないクラークの葛藤は、「ダークナイト」のブルースの葛藤によく似ている。超人的なパワーを持ってしまったために他者から異端視される悩み。力を持ってしまったために特別な運命を背負わされてしまう悲しみ。それらが切々と描かれている。これまでの明るくストレートなスーパーマンとは明らかに異なるキャラクターになっている。タイトルも「スーパーマン」ではなく「マン・オブ・スティール」となっており、そこからも製作サイドが新しいスーパーマン像を作り上げようという戦略が伺える。この意欲は大いに評価したい。

 ただし、描こうとしているドラマ自体はよく理解できるのだが、話の構成にはかなり難がある。
 冒頭のクリプトン星の破滅は、中々ドラマチックな出だして良いと思う。そこから物語は地球に舞台を移して進行する。成人したクラークがどんな生活を送っているのか?それが描かれるのだが、ここからがいただけない。過去の幼少エピソードが頻繁にフラッシュバックされながら展開される。フラッシュバックもやりようによっては物語をドラマチックにする効果がある。しかし、ここまで無頓着に乱発されては効果もへったくれもない。物語の求心力が弱まり、観る方としても中々集中出来なくなってしまう。ここは1本の地続きで回想するべきか、少々展開が鈍ってしまうかもしれないが時系列に沿った筋立てで見せるべきだったのではないだろうか?更に言うと、スーパーマンが軍に拘束されて以降の展開も不自然に感じた。拘束→取り調べ→引き渡しと矢継ぎ早に展開されており、いくらなんでも場面転換が乱暴すぎる。

 そして、今作で不満に思ったのはもう一つある。それはバトルシーンだ。とにかくこの映画は後半の1時間を使って延々と戦いを描いている。ゾッド将軍と1戦交えて、その後に部下と戦い、更に地球を救う戦いが描かれる。結末に到達するまでに一体何回戦うのか‥と途中でしびれを切らしてしまった。派手なバトルシーンは大変結構であるが、その間に何らかのドラマ的なフックがなければ見ていてくたびれるだけである。

 加えて、一連のバトルシーンでは多数の市民が巻き込まれているわけで、これで平和を守ったと言われても何だか釈然としない思いが残ってしまう。しかも、あれだけ破壊された後でロイスたちは平然と日常生活に戻っている。シリアスさを狙う作品なら、尚更戦いの傷跡を描かなければならなかったのではないだろうか?
 また、ロイスが作戦の最後まで同行する必要があったどうか?このあたりも見ていて疑問に残った。

 キャストは、スーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルが見事にハマっていた。どうしてもR・ドナー版の「スーパーマン」(1978米)のC・リーヴのイメージが強いが、彼のシリアスな演技が奏功し見事に新基軸を見せている。身体もしっかりと作っているしスーツもよく似合っていた。
 また、ジョナサン役を演じたK・コスナーは、今回大変美味しい役所だと思った。息子クラークに対する、力を使うなという教育は、彼のことを思ってのことだろう。しかし、皮肉にもその思いがクラークにトラウマを植え付けることになってしまう。それを描く回想シーンには思わず涙腺が緩んでしまった。
 一方、ジョー=エルを演じたR・クロウは、どうしても他の作品のイメージが強すぎて違和感が残ってしまった。
[ 2013/10/02 20:28 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(1)

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バンタン少年団
[ 2013/10/03 19:43 ] [ 編集 ]

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