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ゾンビランド

痛快ゾンビ・コメディ。細かいネタが笑える。
ゾンビランド [Blu-ray]ゾンビランド [Blu-ray]
(2013/09/03)
ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ 他

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「ゾンビランド」(2009米)星3
ジャンルホラー・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 ゾンビに支配されたアメリカのテキサス州。ひきこもり青年コロンバスは故郷を目指して旅をしていた。その途中でゾンビを殺しながら旅をするタフガイ、タラハシーに出会う。コロンバスは彼の車で一緒に旅をすることにした。その後、二人は立ち寄ったスーパーで美人姉妹ウィチタとリトルロックに出会う。コロンバスは一瞬にしてウィチタに心を奪われた。ところが、その直後、隙を突かれた2人はウィチタ達に車を奪われてしまう。仕方なく、コロンバスとタラハシーは歩いて旅を再開するのだが‥。
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(レビュー)
 気の弱いヲタク青年がゾンビのいない土地を目指して旅をするホラー・コメディ。

 一部でゴア描写があるが、基本的には気楽に見れる万人向けの娯楽映画である。ガチなホラー・ファンには物足りなく映るかもしれないが、多くの人に受けそうな作品のように思う。また、ゾンビとの戦いもアトラクション映画的なノリで作られているので、終始楽しく見ることが出来た。

 物語は軽快にまとめられていて大変見やすい。また、ドラマに仕込まれたテーマも中々深いと思った。
 このドラマは一言で言ってしまえば、ひきこもり青年コロンバスの成長を描いたドラマのように思う。ゾンビに埋め尽くされた世界の中で、彼は部屋に閉じこもってばかりはいられなくなる。部屋を飛び出して厳しい現実社会と対峙しなければならなくなるのだ。そして、マッチョ男のタラハシーや魅力的なウィチタと巡りあい、共に協力しながらゾンビだらけの世紀末を戦い抜いていくようになる。つまり、部屋の中で<死んでいた>ような青年が、この旅を通して<生きた>青年になっていくのだ。そこに人間ドラマとしてのカタルシスが感じられる。
 表向きはホラー・コメディ映画であるが、物語の根底にはこうした深いテーマが隠されている。そこを読み込んでいけば、本作は更に骨のある作品となる。

 ただ、シナリオ上、幾つか不満に残る個所もあった。
 例えば、序盤から中盤にかけてのコロンバス達とウィチタ達のやり取りは、少々展開がもたつく。車を奪われるという事件が反復されるが、これが野暮ったい。ウィチタ達の狡猾さ、コロンバス達の間抜けさを表すための作劇だとしても、まったく同じ展開では芸がない。例えば、ここにゾンビを絡ませるとか、コロンバスの過去のトラウマを絡ませるとか、色々とやりようはあったと思う、そうすることでエピソードの重複化を避けて欲しかった。
 また、終盤がかなり大雑把に展開されている。ウィチタ達がわざわざゾンビが集まりそうな遊園地に行ったり、逃げ場のないフリーフォールやお化け屋敷に逃げ込んだり、普通では考えられないような行動をする。せめて、そこに追い込まれるという形で演出してやらないと、彼女たちの行動が一々理に適っていないように見えてしまう。これでは見る方としても中々乗り切れない。

 尚、今作には映画マニアでも楽しめる小ネタがふんだんに盛り込まれている。元ネタを知っていれば更に面白く見れるだろう。

 例えば、中盤から俳優のB・マーレイが本人役として登場してくる。彼はゾンビの世界を生き抜くために、なんとゾンビの特殊メイクを施して隠れながらサバイバルしているのだ。特殊メイクでゾンビの攻撃をかわすとは‥!ゾンビ映画でこの発想は新鮮だった。
 また、彼が絶命の寸前に「ガーフィールド」(2004米)という言葉を発している。これは彼が主演した映画のタイトルである。太っちょ猫ガーフィールドの騒動を描く、CGアニメと実写が融合したファミリー・ムービーで続編も製作されたほどの人気作だそうである(未見)。残念ながら日本ではさして話題にもならなかったのだが、向こうではかなりメジャーな作品なのだろう。ここではネタにされている。
 他に、自分が分かる範囲で言うと、「ベイブ」(1995豪)や「ゴーストバスターズ」(1984米)のネタも出てきた。

 また、コロンバスはゾンビの世界を生き抜くためのルールを自分の中で標榜している。例えば、二度撃ちは当たり前、後部座席には気を付けろ、ヒーローにはなるな等。こうしたルールはホラー映画に必ず出てくる"あるあるネタ"である。このあたりも、製作サイドはよく分かっている‥という気がした。見ていてクスリとさせられた。

 ちなみに、個人的に一番笑ったのは、画面の端にチラリと写ったチャップリンのコスプレをしたゾンビだった。こうした細かな芸も本作は中々心憎い。
[ 2013/10/08 01:21 ] ジャンルホラー | TB(0) | CM(0)

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