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犬、走る DOG RACE

ヤクザな刑事の奔走劇をパワフルに綴った快作!
犬、走る DOG RACE [DVD]犬、走る DOG RACE [DVD]
(2007/01/21)
岸谷五朗、大杉漣 他

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「犬、走る DOG RACE」(1998日)星3
ジャンルサスペンス・ジャンルアクション
(あらすじ)
 新宿署の刑事・中山は、在日コリアンの秀吉から情報を貰いながら日夜、犯罪を追いかけている。ある日、恋人の桃花が何者かに殺される。中山と秀吉は犯人捜査に乗り出すのだが‥。

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(レビュー)
 ヤクザな刑事と在日コリアンの情報屋がコンビを組んで殺人犯を追いかけていくポリス・アクション作品。

 物語はストレート過ぎて食い足りないが、本作の魅力は新宿歌舞伎町をドライブ感あふれる映像で活写した所にあると思う。実に生々しく切り取られている。

 例えば、一番印象に残ったのは、中盤で中山と部下の刑事が麻薬密売人からドラッグを取り上げて、それを吸って新宿の街を破壊しまくるシーンである。路上でたむろする若者たちを殴り倒し、ぼったくりバーでホステスをレイプし、そこに乗りこんできたヤクザをまた殴り倒す。店をめちゃめちゃに破壊した挙句、警察手帳を見せて全員を逮捕すると息巻くのだ。とても警察とは思えぬ、この「何でもかんでも壊してしまえ!」という行動は常軌を逸した犯罪行為であるが、一方である種のカタルシスも覚えた。目には目を、歯には歯を。犯罪には犯罪で対抗というヤクザ刑事の非道なやり方。そこに不思議とスカッとさせられた。

 そして、ここから映画は一気にクライマックスまで突っ走ていく。物語前半は展開が鈍くて少し退屈したが、ここからは画面にグイグイと引き込まれ面白く見ることが出来た。タイトルの「犬、走る」が示すように、クライマックスは中山が新宿の街路を犯人を追ってひたすら激走することになる。この疾走感もたまらない。

 監督・共同脚本は崔洋一。氏らしい男臭いテイストが貫かれており、この雰囲気は中々良い。要所のハイテンションな演出も迫力があるし、沈む所は上手く沈めて映画のトーンに上手く緩急をつけていると思った。

 ただ、一部で違和感を覚える演出もあった。例えば、バイクで引かれた中国人ヤクザが新宿の夜空に吹っ飛んでいく演出は悪ふざけが過ぎるし、桃花を巡って三角関係にあるはずの中山と秀吉のやり取りも軽妙に傾倒しすぎな感じがした。これでは愛する桃花の弔いにも何だか重みがなくなってしまう。

 キャストでは、中山を演じた岸谷五朗の鋭利な演技が中々に良かった。
 しかし、それ以上に秀吉を演じた大杉漣の怪演も印象に残る。SMプレイの女王様に扮したかと思えば、死姦プレイに挑んだり、泥池にハマったりetc.色んな事をやらされている。役者とは大変な職業であることよ‥と改めて思ってしまった。
 もっとも、彼に関してはラストでかなり美味しい見せ場が用意されている。もしかしたら秀吉は最初から″こうなること”を心のどこかで望んでいたのではないか‥。映画を見終わってそんな風に思った。このラストには泣かされる。
[ 2014/01/16 00:29 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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