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アウトレイジ ビヨンド

評判を呼んだシリーズの続編。
アウトレイジ ビヨンド [Blu-ray]アウトレイジ ビヨンド [Blu-ray]
(2013/04/12)
ビートたけし、西田敏行 他

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「アウトレイジ ビヨンド」(2012日)星3
ジャンルアクション
(あらすじ)
 加藤が仕切る山王会は関東で徐々に勢力を伸ばし、その影響は政界にも及ぶようになっていた。ある日、国交省の役人とその愛人が他殺体で発見される。その影では山王会が動いていた。マル暴の刑事・片岡は加藤に事を丸く収めるよう掛け合う。これにより事態はどうにか収拾したが、片岡は山王会の内紛を察知し、これを利用して出世を目論んだ。山王会の若頭・石原を快く思わない古参幹部を関西の暴力団・花菱組に引き合わせて2大勢力の潰し合いを仕掛けたのである。更に、刑務所に入っていた元ヤクザの大友を呼び寄せて、この抗争に巻き込んだ。一旦は堅気に戻ろうとした大友だったが、過去に因縁のある元子分・木村の誘いで再び暴力の世界に入っていく。
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(レビュー)
 壮絶なバイオレンス描写と豪華キャストで話題を呼んだ北野武監督のヤクザ映画「アウトレイジ」(2010日)の続編。
 前作から5年後を舞台に、主人公・大友が抗争の渦中に巻き込まれていく様を描いている。

 尚、前作のラストが”ああいう形”で終わったので、この続編にはどうしても強引さを感じてしまう。聞くところによれば、続編の構想は全く無かったらしく、それが思いのほか前作がヒットを飛ばし、こうして急遽続編が製作されたという話だ。それを知ると、なるほど‥この強引さも分かる気がする。

 ただ、確かに強引な形で続いてしまった続編ではあるけれども、ストーリー自体にそれほど破綻が無い。大友の奇跡の生還、大友と木村の関係修復以外は中々よく出来ていて、今回もヤクザたちの仁義なき戦いには熱くさせられた。
 惜しむらくは、前半が水っぽい所だろうか‥。設定の説明に時間が食われてしまい、展開がややスローテンポである。面白く見れるようになってくるのは、出所した大友が山王会と花菱組の抗争に絡んでくる中盤からである。ここからストーリーは軽快に進んでいくようになる。

 例によって様々な濃いキャラクターが登場してくるが、今回一番印象に残ったのは前作にも出ていたマル暴の刑事・片岡だった。彼は旧知の大友を呼び寄せて、関東の山王会と関西の花菱組に潰し合いをさせようと暗躍する。表向きは飄々としているが、中々の切れ者で実に腹黒いキャラクターで面白い。ラストの顛末も良かった。

 一方、北野武本人が演じる主人公・大友は前回とは打って変わって、かなり大人し目である。血で血を争う抗争から遠ざかって5年。この年月がやはり彼を変えてしまったのか‥と思えた。
 例えば、彼が初めて登場する刑務所の食堂のシーン。疲弊しきった表情にはどこか悲哀を見てしまう。また、元子分だった木村に対しても、過去の因縁を水に流して冷静に対応をする。前作であれほど叫んでいた「ばかやろー!」を封印し、正直、今回の大友は前回に比べると物足りなく感じた。今回は片岡のドラマになっているという気がした。

 ただ、それでも唯一、大友”らしさ”が感じられたのは、彼が花菱組に盃を受けに乗り込んでいくシーンである。この時、彼は花菱組の厳つい幹部達に向って吠えまくる。花菱組の幹部達も大友に負けないくらいのテンションで吠えまくり、このやり合いにゾクゾクするような興奮が感じられた。このような一触即発的な怖さは今シリーズの醍醐味だろう。

 暴力シーンについては、前作と同じR15指定になっているが、若干のパワーダウンが否めない。唯一アイディアで前作を超えていたのは、バッティングセンターでの殺害シーンである。まぁ、よくこんことを考え付くなぁ‥と感心させられた。特殊メイクのヌルさや、髪の毛が一糸も乱れぬ演出上の不備等、不満は残ったが、アイディアだけは秀逸だった。

 一方、北野風ノワール・タッチとでも言おうか、冷え冷えとした渋いトーンは今回も冴えわたっている。例えばラストシーンなど、日本でこれだけ冷淡な画作りが出来る監督はそうそういないだろう。今回も大いに痺れさせてもらった。

 キャストは前作からの続投組が多いが、何人か新顔も登場している。いずれも劇画チックに造形されており、夫々に健闘していると思った。
 ただ、やはり一部で既存のイメージが邪魔になってしまう者達がいる。例えば、西田敏行などは他の作品のイメージが強すぎてどうしても浮いて見えてしまった。
 一方、前作ではまるでピンと来なかった石原役の加瀬亮だが、今回は大胆に演技を変えてきている。劇画チックに徹したと言う意味では前作以上の面白みを感じた。どうせやるならこのくらいのオーバーアクトの方が本作には合っているだろう。
[ 2014/01/20 01:35 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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