fc2ブログ










海底軍艦

特撮シーンは見応えあるがストーリーの芯がぶれる。
【東宝特撮Blu-rayセレクション】海底軍艦<Blu-ray>【東宝特撮Blu-rayセレクション】海底軍艦
(2010/03/19)
高島忠夫、藤山陽子 他

商品詳細を見る

「海底軍艦」(1963日)hoshi2.gif
ジャンル特撮・ジャンルアクション・ジャンルSF
(あらすじ)
 1万2千年前に海底に沈んだムウ帝国は密かに世界征服を企んでいた。彼らは旧日本軍が秘密裏に建造していた幻の海底軍艦”轟天号”の調査をするために地上に現れる。狙いは光圀海運の楠見専務の秘書・真琴だった。実は、彼女は轟天号を建造している神宮寺大佐の娘だったのである。そして楠見専務は神宮寺大佐とはかつての盟友だった。ある晩、真琴はムウ帝国のスパイに拉致されそうになる。そこを雑誌記者・旗中に救われた。こうして二人はムウ帝国の陰謀に巻き込まれることになる。やがてムウ帝国は全世界に侵攻声明を発表する。

ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!

FC2ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングへ

(レビュー)
 円谷プロが特撮を担当した海洋アクション映画。

 物語は謎の海底軍艦・轟天号を巡るスパイ活劇風に展開されていくが、いかんせんストーリーはお世辞にもよく出来ているとはいいがたい。第一にこれでは主役が誰なのかよく分からない。おそらくクレジットの順番からいけば旗中を演じた高島忠夫になるのだろうが、実際に彼が活躍する場面は余りない。むしろ轟天号を開発・運用する神宮寺大佐の活躍の方にカタルシスがあり、これでは何ともドラマが締らない。

 また、ムウ帝国の作戦はひたすら回りくどく、このあたりももっとスマートさが欲しい。優れた科学文明を持ちながら何故か全員が古代エジプト人みたいな恰好をしているのも珍妙である。

 かように突っ込み所が満載な作品で、全体的には解れが目立つ映画である。

 ただ、そうは言ってもラストは中々面白く見れた。ムウ帝国皇帝が辿る悲劇的結末は派手なドンパチを交えながらドラマチックに盛り上げられている。地下帝国のモブシーンもスペクタクル感たっぷりに切り取られているし、今作は特撮場面での見所は多い作品である。

 尚、轟天号のデザインは小松崎茂氏が担当している。東宝特撮の秘密兵器は数多くあるが、この流麗なデザインは当代随一だろう。実に洗練されておりカリスマ性すら感じられる。クライマックスの轟天号と怪竜マンダの戦いは童心に帰ってワクワクさせられた。

 キャストでは、神宮寺大佐を演じた田崎潤のインパクト、これに尽きると思う。元々、脇役が多い俳優であるが、今作をきっかけに軍の将校役を演じることが多くなったような気がする。画面にいるだけでその場を引き締める名バイプレイヤーと言っていいだろう。こうしたハマリ役と呼べるような人が今の日本映画界にいなくなってしまったことは実に寂しい限りである。
[ 2014/03/15 00:50 ] ジャンル特撮 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://arino2.blog31.fc2.com/tb.php/1245-142d5984