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イップ・マン 序章

伝説の武術家の半生を綴った前章。かのブルース・リーの師匠である。
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(2011/06/02)
ドニー・イェン、サイモン・ヤム 他

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「イップ・マン 序章」(2008香港)星3
ジャンルアクション・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 1930年代、中国広東省佛山 。詠春拳の達人イップ・マンは名実ともに佛山一の武術家だった。しかし、そんな彼にも悩みはある。それは拳法のことばかりで、妻子を余り構ってやれないことだった。ある日、佛山に道場破りが現れる。次々と道場の師範が倒される中、イップ・マンは仲間のために立ち上がった。そして見事にこれを返り討ちにした。こうして彼は益々人々から賛辞を受けるようになる。その後、佛山は日中戦争の騒乱に巻き込まれる。平和で裕福だった暮らしから一転。イップ・マンの家族は貧しい暮らしを強いられるようになる。

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(レビュー)
 ブルース・リーの師匠として知られる中国武術家イップ・マンの活躍を描いたカンフー映画。尚、今作は2部作の前編となる。

 ブルース・リーは知っていてもイップ・マンの名前を知っている人はそれほど多くないだろう。正直な所、自分も彼の名前はこの映画を見るまでは知らなかった。ただ、あのブルース・リーの生涯唯一の師匠だということを聞くと、俄然興味が湧いてくる。今回はその一点で面白く見ることが出来た。

 イップ・マンは武術の達人であるだけでなく、知性に溢れた大らかな人物で、多くの人から人望を集めた英雄だった。映画を見ていると良い面しか出てこないので、若干出来すぎな感じもするが、ある種ヒーロー映画として見れば実に正統派な作りになっている。また、彼を知らない人にも分かりやすく作られているので、その点も好感が持てた。

 カンフーアクションも随所で見応えがあった。イップ・マンを演じるのは、当代随一のスター、ドニー・イェンである。ワイヤーアクションもそこそこに、肉体を使った本物の格闘が堪能できる。彼だからこそ演じられる華麗なアクションは大きな見所だろう。

 また、アクション的な見所を言えば、後半から登場する日本軍の軍人・三浦との戦いも中々興奮させられた。三浦役を演じるのは日本人俳優、池内博之である。凄味を利かせた演技で悪役としての存在感をドッシリと表現している。格闘シーンにも果敢にチャレンジしていて感心させられた。

 一方、本作を見て少々引っかかりを覚えるのは、その日本軍の描き方である。中国人に対する非道の数々は、同じ日本人としては見ていて余り気持ちのいいものではなかった。無論、勧善懲悪のヒーロー映画として作られているのだから、日本軍を分かりやすい形で野蛮で凶暴な悪役に仕立てるのは分かる。しかし、安易にレッテルを張り過ぎではないだろうか‥。池内扮する三浦はまだ人間的な理性を持った人物として造形されているので良いが、彼の部下などは完全に悪辣なキャラとして造形されている。そこに薄っぺらさを感じた。

 また、正直ストーリーには所々に突っ込み所がある。例えば、綿工場に突如として現れるイップ・マンには戸惑いを覚えたし、日本人が使う空手が余り空手らしくないというのも不満だった。中国武術とは作法が異なるので、ある程度、歪な異種格闘技戦のようになってしまうのは仕方がないが、それでも空手にはどういう攻撃があるのか、どういうルールがあるのか、そのあたりを説明するシーンは入れて欲しかった。例えば、日本人同士で実演して見せるなど、アクションに説得力を持たせるための前振りがあれば尚良かったと思う。

 尚、アクション監督は「燃えよデブゴン」シリーズでもお馴染みのサモ・ハン・キンポーが務めている。ドニー・イェンとは旧知の盟友で、一緒に何本か映画も撮っている。純粋なカンフー映画ではないが、ポリスアクション映画「SPL/狼よ静かに死ね」(2005香港)では、敵同士となって凄まじい戦いを繰り広げていた。今回は画面にこそ出てこないが、彼の演出はカンフー映画の独特のリズム感や映像的なカタルシスを上手く表現しており、さすがはベテランといった仕事ぶりを見せている。

 音楽は日本人の川井憲次が担当している。中国的なメロディラインを基本に据えた音楽が今まで余り耳にしたことが無く少々意外だったが、迫力の格闘シーンを見事に盛り立てている。
[ 2014/07/01 03:33 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

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