川口浩探検隊を思い出してしまった。
「トロール・ハンター」(2010ノルウェー)
ジャンルアクション・ジャンルファンタジー
(あらすじ) 密猟者のドキュメンタリーを撮影するために北欧の森にやってきた3人の学生。彼らは、そこで不審な行動をする猟師ハンスに出会う。彼は深夜になると森の奥深くへ入って”何か”と格闘していたのだ。追いかけて行った撮影班は、その”何か”をカメラに収める。それは伝説の妖精”トロール”だった‥!
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(レビュー) 嘘のドキュメンタリー、いわゆるモキュメンタリーなのだが、伝説の怪物トロールを追いかけるというアイディアが中々秀逸な作品である。
こうしたモキュメンタリーの潮流は、低予算ホラー「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(1999米)の世界的ヒットに始まる。この映画が与えたインパクトは相当大きく、その後似たような品がどんどん製作された。最近では余りにも増えすぎて少々食傷気味な感じがしなくもない。ただ、そんな中でも、今作は題材が題材だけに新鮮に見れる。何せ被写体はあの伝説の”トロール”なのだから‥。
トロールと言えばRPGゲームなどにも登場してくる異形のモンスターである。巨人だったり小人だったり、その外見は必ずしも統一されてないが、ファンの間ではお馴染みのアレである。
映画は「ブレア~」と同じく、これからお見せる映像はある所で発見された云々‥といったテロップから始まる。とはいっても、カットはしっかりと切り替えられているし、車に乗ったシーンなどは車外からの映像もあり、明らかに作り込んだ映像になっている。しかし、それを一々気にしていたら、こういう映画は楽しめない。そもそも実際にトロールなんているわけがないのだから、オール・ウェルカムの方向性で見てあげよう。ちなみに、ハンスの正体が実は‥というのが、中々ぶっ飛んでいて面白かった。
荒唐無稽さが増していく終盤も、割り切って見ればそれなりに楽しめる。ほとんど怪獣映画のようになっていくところは、同様のスタイルで撮られたPOV映画
「クローバーフィールド/HAKAISHA」(2008米)と同じノリである。巨大トロールからの逃走が迫力のある主観カメラで切り取られている。
CGを含め全体的に作りの粗さはあるものの、全体的にはエンタメに特化した潔さで最後まで飽きなく楽しめた。