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ダイナマイトどんどん

菅原文太さんが亡くなった。今回は追悼の意味も込めて彼の熱演が炸裂した作品を紹介。
ダイナマイトどんどん [DVD]ダイナマイトどんどん [DVD]
(2014/10/31)
菅原文太、宮下順子 他

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「ダイナマイトどんどん」(1978日)star4.gif
ジャンルアクション・ジャンルコメディ・ジャンルロマンス
(あらすじ)
 昭和25年、北九州一帯ではヤクザの抗争が激化していた。とりわけ激しい縄張り争いをしていたのが岡源組と橋伝組だった。進駐軍はこの争いをを民主的に解決しようと野球の試合で決着を付けさせることを警察署長に命じる。両組はこれに止む無く賛同し、早速チームを編成することにした。岡源組は傷痍軍人でかつての名投手・五味を監督として迎え入れた。一方の橋伝組は資金力に物を言わせて各地の名選手をスカウトした。こうして試合が始まる。ところが、荒くれ者たちが集まる試合は、反則無用の荒れた試合になる。そんな中、岡源組の切り込み隊長で捕手の加介と橋伝組のエース・銀次は、一人の女を巡って対立を深めていくようになる。

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(レビュー)
 ヤクザたちが野球の試合で抗争していく異色のスポーツ任侠映画。

 スポーツマンシップにのっとり‥という言葉もどこ吹く風。ルールを無視した殴り合いで試合をメチャメチャに破壊しまくる光景は、まさに何でもありなカオス。ヤクザ映画に野球を掛け合わせたセンスに脱帽である。

 本作は何と言っても、キャストが豪華で見応えがある。
 主人公・加介を演じるのは菅原文太。無鉄砲な無頼漢、人情に厚いというキャラクターは、同じ東映の「トラック野郎」シリーズの人気キャラ・星桃次郎に通じるような造形となっている。菅原はこれを今回ものびのびと演じている。

 一方、彼の宿敵となる銀次を演じるのは北大路欣也。こちらはニヒルな冷血漢を貫き通し、終始ストイックな佇まいで演じている。加介とのキャラクターギャップも上手くはかられている。

 そして、彼らの間に割って入るのが、飲み屋を女手一つで切り盛りするお仙である。こちらは宮下順子が演じている。彼女は日活ロマンポルノを支えてきた名女優である。静々とした色気が良かった。加介と銀次は彼女を巡って恋敵になっていくのだが、この三角関係も面白く見ることが出来た。
 
 ほかに、橋伝組の助っ人ピッチャーを演じた田中邦衛も良い味を出していた。彼は部類の酒好きという設定でいつも酔っぱらっている。フラフラになりながらマウンドで投げる姿が可笑しかった。
 元名投手で岡源組の監督を務める五味を演じたフランキー堺も良かった。彼は松葉杖をついて歩く傷痍軍人である。片足で器用にノックする姿に、彼の身体能力の高さが伺える。彼には裏設定があり、その種明かしが笑えた。
 岡源組の親分を演じた嵐勘寿郎も◎。彼のセリフは誰にも聞き取れず通訳を介して喋るのだが、このやり取りが可笑しかった。

 監督は岡本喜八。今回も、いかにも氏らしい破天荒で娯楽趣向の強い演出が横溢している。男同士の熱き戦いを泥臭く活写した所に作品のエネルギーが宿り、彼にしか撮れない作品となっている。エネルギッシュで軽快で最後までダレないあたりは流石と言う感じである。
 特に、オープニングが目を引いた。機関銃をぶっ放すわ、ダイナマイトを爆発させるわ、まるで無国籍アクション風なノリで見てて痛快である。
 クライマックスの試合シーンも凄かった。敵味方入り乱れての乱闘騒ぎ。そればかりか、応援団の中にはトップレスの娼婦たちから祇園太鼓の祭り衆までいて、この祝祭感には自然と興奮させられた。

 その一方で洒落た演出もあって、お仙が加介と銀次に花束を贈るシーンにはしみじみとさせられた。花に添えられたカードには彼女の已むに已まれぬ女心がしたためられている。確かに浪花節に傾倒しすぎな感じもしなくはないが、噛みしめたくなるような味わいがあった。

 ラストも良かったと思う。加介たちは仕方なく始めた野球をいつの間にか好きになってしまう。どこか清々しい青春ドラマのような結末になっていて、爽快感すら感じられた。
 更に言えば、この感動は岡本喜八がこれまで描いてきた反戦映画とまったく同じ感動であることに気付かされる。つまり、銃やドスをグローブやバットに持ち変えて戦い続ける加介たちの姿。そこには明らかに反戦メッセージが込められているのだ。このラストシーンは解体工事の現場が舞台となっている。これが戦争によって荒らされた被災地とダブって見えてしまった。
 
[ 2014/12/02 00:51 ] ジャンルコメディ | TB(0) | CM(0)

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