映画ありのまま
初めましてorこんにちは。
わりと気ままに映画の感想を(妄想を交えて!)書き綴っています。ぜひ楽しんでってください〜(´ー`)ノ
(2008.4.15連絡事項)
少しずつですが記事が増えてきたので、50音字で検索出来るように プラグインを設置しました。
とはいっても、まだまだショボイですが‥。ぜひご利用ください。
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ノーカントリー
2008.04.04(19:49)
シガー怖いよ、怖すぎるよ!つーわけで、ちびりそうになりました「ノーカントリー」。

「ノ−カントリー」(2007米)

ジャンルサスペンス・ジャンルアクション
(あらすじ)
1980年代、テキサスの荒野。狩りをしに来たモスは偶然死体の山を発見する。傍には麻薬と大金があった。金を持って帰宅するモスだったが、現場で虫の息だった男のことがどうしても頭から離れない。助けようと夜中に戻ってみたのが運の尽きである。麻薬組織に見つかり追われる身となる。組織は残虐非道な殺し屋シガーを送り込んできた。シガーはモスを追跡する途中で殺人を繰り返していく。彼らを老保安官エドが追う。
(レビュー)
原題は「NO COUNTRY FOR OLD MEN」。老人が住む国はもう無い‥といったような意味だが、これは老保安官エドの心理を表している。この原題から本作のテーマは自ずと分かってくる。年配諸氏がよく使う言葉に「今の若い者は‥」という決まり文句があるが、それとニュアンスがよく似ている。この映画のテーマは正にオッサンの嘆き節だ。
モス、シガー、そして後半に登場するもう一人の殺し屋ウェルスはいずれもベトナム帰還兵である。ここにアメリカ特有の世代隔絶の意味するところ、時代の変換点が見られて面白い。
いわゆる60年代後半のヒッピームーブメントは、それまでの世代が敷いたルールとは完全に対立したものだった。若者達はドラッグやフリーセックスに興じ、大人達が言う良識に反抗した。そして、ある者はベトナムへ出兵し、ある者は反戦運動へと参加していく。エドにとってみればシガー達の行動が理解できないのは当然であり、もはや「NO COUNTRY FOR OLD MEN」というわけである。ベトナム戦争を一つの象徴として忍ばせたことは、アメリカならでは歴史的背景を反映させたものであり、そこが俺には面白く見れた。
そして、これを現代社会と見比べてみると更に興味深い。
どういうことかと言えば、この映画で語られていることが今のアメリカの状況と酷似しているような気がしてならないのである。イラク戦争、格差社会、無差別殺人等。これだけ暗く救いの無い社会を見れば、エドでなくても嘆きたくなるアメリカ人は大勢いるのではないだろうか。むしろ状況は悪化の一途を辿っているという気さえする。この物語を現代アメリカ社会の合わせ鏡として見ると、映画が伝えるメッセージも更に深く読み取ることが可能になると思う。
物語はサスペンスとバイオレンスが盛りだくさんで娯楽性が高い。何よりシガー役を演じたH・バルデムの殺人鬼振りが恐ろしく、彼が画面に登場するだけで見ているこちらの心拍数が上がってしまう。初めこそビジュアルの滑稽さに笑ってしまったが、段々笑うに笑えなくなってくる。それほどの怪演振りだった。
また、コーエン兄弟の作品らしく独特なブラックユーモアもある。ただ、バイオレンス描写が余りにも露骨で、笑いもどこかに吹き飛んでしまうのだが‥。コーエン作品は悲劇を題材にしてもどこかでほのぼのとした味わいがあるのだが、本作にはそれが一切感じられなかった。今までで一番彼らの「陰」の部分が強く出た作品だと思う。
・ノーカントリー@映画生活

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