ほのぼのとした味わいの小品である。
「大いなる休暇」(2003カナダ)
ジャンルコメディ・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ) かつては漁業で栄えたケベック州の小島。今ではすっかり寂れ働き口もなく住人達は皆生活保護で食いつないでいた。そこにプラスチック工場誘致の話が舞い込んでくる。但し、医者の常任が絶対条件だった。新町長ジェルマンは都会からクリストファー医師を1ヶ月間だけ呼び寄せることに成功する。彼を長く滞在させるべく、島民上げてのキャンペーンが開始される。
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(レビュー) 過疎化した島の住人達と都会からやって来た青年医師の交流をハートウォーミングに描いたヒューマンコメディ。
よくある話で新鮮味は無い。ただ、こうなって欲しいという所にドラマが展開されていくので安心して見ることが出来る。終盤にかけてのご都合主義はさすがにやりすぎな気もしたが、それでも不思議と好意的に見れてしまうのは、おそらくこの映画全体に流れる素朴さに癒されてしまうからだろう。
教訓は「寛容さ」ということになろうか。クリストファーが島民達の嘘を許すように、実社会においても「寛容さ」は重要なことだと思う。もし「寛容さ」が無ければ、この社会は衝突と混乱で溢れ返り、成り立たなくなってしまう。それに、クリストファーも島民達から大切なものを得たわけだから、実はお互い様という気もする。互いに許しあえる社会‥というと少し説教じみてしまうが、要するにこの映画で伝えたい事はそういうことなのだろう。
尚、ATM呼ばわりされて切れるアンリは本作で最も可笑しく見れたシーンである。会社に対して反乱を起こす姿にペーソスが感じられた。