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小さな悪の華

残酷で美しい少女たちの饗宴。ラストが衝撃的。
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「小さな悪の華」(1970仏)星3
ジャンルサスペンス・ジャンル青春ドラマ
(あらすじ)
 寄宿学校に通う少女アンヌとロールは親友である。官能小説を読み合ったり、口紅をつけたりしながら無邪気な戯れに耽っていた。そんなある夜、2人は偶然、シスター同士が愛し合う場面を目撃してしまう。アンヌはそのことを神父に報告するのだが‥ 。

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(レビュー)
 思春期の少女たちが倒錯的な世界にのめり込んでいく様を、眩惑的なタッチを交えて描いた異色の青春ドラマ。

 アンヌとロールは出自は違うが、家族ぐるみで付き合うほど仲がいい幼馴染である。夫々に性に対する好奇心が旺盛で、シスターの目を盗んで禁書を読んだり、親に隠れて化粧をしたり、庭師を誘惑したりしながら、日々を過ごしていた。

 やがて、彼女たちの屈託のない悪戯はこれだけに留まらず、禁忌とされている悪魔崇拝にのめり込んでいくようになる。両親がバカンスで家を空けることになり、二人はまるで魔女にでもなったかのように振る舞いながら、秘密の儀式を行う。そして、ある大事件を起こしてしまう。

 正直、前半は展開が平板で余り面白いとは思わなかった。この年頃の少女にはよくある大人世界への憧憬、あるいは周囲への反抗といったドラマは新味がなく、淡々と綴られていることもあり退屈した。悪魔崇拝の儀式も然り。確かに禁忌に挑む大胆な行為ではあるが、撮り方が平凡でいただけない。

 物語後半からいよいよ、少女たちの行為はエスカレートしていく。ここから徐々に面白く見れるようになった。
 悪魔の儀式の最中に聾唖の庭師を発見した少女たちは、彼をまるで家畜のように扱いながら虐待していく。少女の残酷さ、小悪魔性が前面に出た演出が刺激的だった。
 続く小鳥の死にも少女たちの残酷さが伺える。自分よりも弱い生き物に対する冷酷で凶悪な仕打ちが実に恐ろしい。
 更には、車が故障して立ち往生している男を屋敷に招くシーンでは、セクシャルなトーンが出始め、これも刺激的で目が離せなかった。少女たちはまるで娼婦のような立ち振る舞いで男を虜にしていく。

 そして、信仰を捨て悪魔に魂を売り払った少女たちは、周囲から徐々に追い詰められながら最後に衝撃的な行動をとる。これが凄まじい。今作の魅力は、正にこのラストに尽きると言っても過言ではない。

 自分は、彼女たちのこのラストの行動に一体どんな意味があるのか、映画を見終わっても未だに理解できないでいる。規範社会への反抗だったのか?究極の自己愛の顕示だったのか?彼女たちの独りよがりな行動には同情する気にもなれなかった。ただ虚無感と恐ろしさだけを覚えただけである。

 また、本作が製作されたフランスという国を考えた場合、このラストにはジャンヌ・ダルクの数奇な運命を重ねて見ずにいられなかった。ジャンヌはイギリスからフランスを解放した立役者だったが、最後はイギリス軍に捕まり悪魔崇拝者として火刑に処された。ここに登場する少女たちの屈託のない”ままごと”が周囲の大人達を巻き込んでいく恐ろしさには、ジャンヌを死へと追いやった人間の愚かさ、信仰の狂気に対する反撥だった‥という読み解き方も出来る。

 尚、今作は反道徳的、反宗教的として本国フランスでは上映禁止になったそうである。
[ 2015/08/11 00:41 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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