圧倒的ステージ・シーンが見応えあり。
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2011-10-05)
売り上げランキング: 11,251
「バーレスク」(2010米)
ジャンル音楽・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ) 田舎町からスターを夢見て単身ロサンジェルス へやって来た少女アリ。栄華を誇ったショー・クラブ“バーレスク”を訪ねた彼女は、そこでウェイトレスとして働き始める。作曲家志望のバーテンダー、ジャックの部屋に居候しながら、ステージに立つ夢を見るアリ。そんなある日、経営の立て直しに苦慮する店主でシンガーのテスの目に留まり、彼女はスターの道を登り始めていく。
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(レビュー) 一人の少女がショー・クラブのスターになっていく様を、圧倒的なステージ・シーンを交えて描いた音楽映画。
シンプルなドラマで特に捻りは無いが、主人公アリの無邪気で前向きな姿勢に好感が持てる。彼女のサクセス・ストーリーに自然と感情移入でき、最後まで面白く見ることが出来た。
ただ、終盤のまとめ方は今一つだった。強引な展開に閉口してしまった。何でもかんでも丸く収めようとして下手をうっている。少しは現実を見据えたオチと言うのも必要ではないだろうか。そうでないと白けてしまう。
また、アリが才能を持つ者、ニッキーが才能を持たざる者として、安易に彼女を落伍者にしてしまった点も残念だった。この二人は常に対立する関係にあり、ある意味では典型的な勧善懲悪のドラマとも言えるのだが、いかんせんアリの才能が開花するまでの経緯が全く描かれていないので、この対立構図には説得力が感じられなかった。アリの歌唱力が最初から抜群に上手いという所で、どうしてもご都合主義に見えてしまうのだ。このあたりの経緯はストーリーの前半部でしっかり織り込んでほしかった。
ただ、こうしたストーリー上の不満はあるものの、圧倒的なステージ・シーンは音楽映画としては十分の見応えで、これだけでも今作は一見の価値があるように思う。演出、編集、撮影も非常にクオリティが高くて見てて気持ちが良かった。
アリを演じたのはクリスティーナ・アギレラ。彼女の本業は歌手であり、劇中でも素晴らしい歌唱を披露している。また、パフォーマンスも中々板についていて映像的にも十分映えていた。彼女の存在が今作を支えていると言っても過言ではない。
また、テス役を演じたシェールも、出番こそ控えめだが、後半で貫録のバラードを披露している。歌唱力は全然衰えておらず、さすがに上手い。
他に、A・カミングが道化のようなパフォーマンスを披露して笑いを取っていたのが印象的だった。