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明日に処刑を…

スコセッシが描くアメリカン・ニューシネマ。
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「明日に処刑を…」(1972米)star4.gif
ジャンルサスペンス・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 アメリカ南部。不幸な事故で父を亡くした少女バーサは故郷を捨てホーボーの旅に出る。そこで父の元同僚で労働活動家のビルに再会する。二人は愛し合いながら一緒に旅をすることになった。その後、二人は、北部から流れ着いた詐欺師レイク、ビルのかつての相棒、黒人青年ボブと出会う。4人はギャング団を結成して強盗を繰り返していくようになる。

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(レビュー)
 ホーボー生活をする少女と労働組合の活動家が破滅的な愛を辿って行く犯罪映画。

 R・コーマン下のAIPで製作されたM・スコッセシの作品である。後の作品の萌芽が見られるので、氏のファンであれば必見の作品と言えよう。

 例えば、強烈なラストは彼の監督デビュー作「ドアをノックするのは誰?」(1968米)や次作「ミーン・ストリート」(1973米)におけるモチーフ<神示の象徴>が登場してくる。これ以上ないくらいの、ある種”劇画タッチ”な締めくくり方となっており、見終わった後に暫くこの結末の事が頭から離れなかった。
 また、その手前の壮絶なガン・アクションは傑作「タクシードライバー」(1976米)のクライマックスを彷彿とさせる過激なバイオレス・シーンとなっている。「タクシードライバー」を見ているファンであればニヤリとさせられるだろう。

 物語は一言で言ってしまうと、スコセッシ版「俺たちに明日はない」(1967米)である。さして新味はないが、4人の男女の愛憎劇は中々面白く見ることが出来た。

 特に印象的だったのは、バーサが黒人青年ボブと再会するバーのシーンである。場所は黒人専用のバー。そこで働いているボブの元にバーサが駆けつけて二人は懐かしい抱擁を交わす。何ともしみじみとさせる良いシーンだが、南部という土地柄。周囲の客は彼らをいぶかしげに見る。しかし、2人はそんなことはお構いなしに静かに友情を確かめ合う。ここには人種差別に対するスコセッシの皮肉がよく出ていると思った。

 この他にも、劇中には北部訛りの詐欺師レイクの境遇や、刑務所における差別、コミュニストに対する弾圧といった社会派的な問題提起が登場してくる。

 今作は基本的にはコーマンお得意のセックス&バイオレンスを売りにしたB級低予算映画であるが、スコセッシは各所にそうした社会派的なメッセージを落とし込むことで己の作家性を軽く主張させている。このあたりが他の職業監督は違う所である。名匠の片鱗が感じられた。

 尚、冒頭に「これは実話を元にしている」というテロップが入る。原作は本作のヒロインでもあるバーサが書いた自伝的小説だそうである(未読)。しかし、映画はかなり大胆に脚色されているらしく、いかにもAIP作品らしいハッタリをかました作りが徹底されている。

 キャストでは、バーサを演じたB・ハーシーの身体を張った演技が中々に良かった。撮影当時、ビルを演じたD・キャラダインとは交際中であり、劇中では大胆なラブシーンを披露している。
[ 2016/04/03 00:38 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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