こちらは「大巨獣ガッパ」の元ネタとして知られている。
ビデオメーカー (2012-02-28)
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「怪獣ゴルゴ」(1959英)
ジャンル特撮・ジャンルSF・ジャンルアクション
(あらすじ) アイルランドの沖合いで海底火山が爆発する。付近を航行中だった海難救助船の船長ジョーは、船の修理のため近くの島に寄港した。ジョーたちを出迎えたのは考古学者を名乗る不審な男だった。その後、港に死体が上がる。彼の顔は恐怖に引きつっていた。ジョーは相棒サムと共に海底を調査するのだが‥。
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(レビュー) 「原子怪獣現る」(1953米)のユージン・ローリーが監督した怪獣映画。
「原子怪獣現る」は日本の「ゴジラ」(1954日)の元ネタとして知られる作品だが、こちらは日活が製作した「大巨獣ガッパ」(1967日)の元ネタとして有名な作品である。
どのあたりが似ているのかというと、怪獣ゴルゴの親子が出てきて人間と戦う‥というシチュエーションが同じである。2作続けてパクられてしまったユージン・ローリーは一体どんな思いだったのだろうか。‥とは言っても世界的に有名な「ゴジラ」はともかく、日活唯一の怪獣映画「大巨獣ガッパ」の存在をどこまで知っていたかは分からないが‥。
もっとも、この「ゴルゴ」も、前半のストーリーは明らかに怪獣映画の元祖「キングコング」(1933米)をベースに敷いていることは間違いない。
ジョーたちは海底から現れたゴルゴを捕獲してサーカスに売り飛ばそうとロンドンに連れて帰る。そこでゴルゴが暴れて町が大パニックに陥る‥という筋立ては、そのまま「キングコング」のストーリーである。そこに怪獣親子の”絆”というエッセンスをまぶすことで本作はオリジナルティが確立されているわけだ。
特撮的な見所としては、海底に不気味に漂うゴルゴの影だろうか‥。何とも生々しい質感にゾッとさせられた。
また、このゴルゴがトラックに乗せられてロンドンの街中を運ばれていくシーンがあるが、これもインパクトがあった。実物大のスケールモデルが使用されているので中々の迫力が感じられる。
それと、今作は海外としては珍しい着ぐるみの怪獣である。これに関してはむしろ「ゴジラ」から影響を受けているという見方も出来る。「原子怪獣現る」のようなコマ撮りアニメに比べたら時間も予算も少なくて済むので、大分安く作ることが出来る。
尚、ゴルゴのデザインは全体的にはオーソドックスな形状で、取り立てて新鮮と言うほどではない。ただ、耳が非常にユニークで、これはおそらく当時のモンスター映画に登場する半魚人から影響を受けたものだろう。水中に生息するので、理にかなったデザインである。