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バクマン。

漫画家を目指す少年たちの熱い情熱は観てて心地よい。
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「バクマン。」(2015日)星3
ジャンル青春ドラマ
(あらすじ)
 かつて週刊少年ジャンプに連載していた亡き叔父の影響で漫画家を目指していた高校生の最高は、ある日ひょんなことからその高い画力を買われて、秀才のクラスメイト秋人に“俺と組んで漫画家になろう”と誘われる。最初は渋っていた最高だったが、声優を目指す片想いのクラスメイト亜豆と“お互いの夢が叶ったら結婚する”という約束を交わして漫画家の道を歩むことを決心する。こうして2人は週刊少年ジャンプの編集部に持ち込む原稿を描きはじめるのだが…。

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(レビュー)
 漫画家を目指す二人組の高校生の成功と挫折を描いた同名コミックを、「モテキ」(2011日)の大根仁監督が実写映像化した作品。

 尚、今回の実写版に先駆けて2010~2012年にかけてTVアニメ化も作られた。自分はそちらを先に観ていたので、大体のストーリーは知った上での鑑賞である。

 アニメ版は原作にかなり忠実に作られており、最高たちのサクセス・ストーリーはもちろんのこと、彼らの周辺人物を含めた群像劇も丁寧に描かれていて大変面白く観ることが出来た。「週刊少年ジャンプ」に関する固有名詞が実名で出てくるのもリアリティが感じられて良かった。

 そこからすると、今回の実写版は設定やストーリーがかなり省略されている。長尺の原作を2時間の映画にまとめるのだから、この辺りは仕方がないだろう。

 ただ、欲を言えば、最高の家庭環境だけは最小限で良いので押さえて欲しかった。これがないと後半の入院シーンが不自然に感じられる。病室に彼の家族が見舞いに来るといった描写があるだけで、ここは俄然リアリティが増しただろう。実に勿体ない。

 そもそも高校生が週刊漫画で連載すること自体、リアリティに乏しい”夢物語”である。劇中で秋人が語っているが、漫画家という職業は一発当たれば大金持ちになれるが、大抵は海の藻屑と消えてしまう。要は完全に博打の世界なのである。将来漫画家になると言ったら、普通であれば親に反対されるのが当然だろう。そして、実際に原作ではそのような描写があった筈である。しかし、本作では最高の家族関係がバッサリとカットされているため、こうした家族とのやり取りも全然出てこない。

 さらに細かな点を挙げれば、アシスタントの存在が皆無なのも不自然に写った。週刊連載と言えば、毎週のように締切がやって来る地獄のようなスケジュールである。たった二人で、しかも現役の高校生が毎週描きあげられるものではない。このあたりも原作ではきちんとフォローされていた。

 こうした設定の省略は見てて大変気になる所だった。本作は曲がりなりにも”職業物”の映画である。漫画家という職業について全然知らない人ならまだしも、少しでも実情を知識として持っている人が観ればこのあたりは誤魔化しのきかない所である。そういう意味でも、ディティールには気を使って欲しかった。

 ストーリーは概ね面白く見ることが出来た。「週刊少年ジャンプ」の連載漫画には「友情、努力、勝利」というキャッチフレーズが存在する。この言葉はジャンプ・ファンのみならず、漫画ファンであれば誰もが知っている言葉で、今回のドラマはそれをテーマにしながら上手く作られている。青春映画らしい若々しさ、情熱が画面からひしひしと伝わってきて、見終わった後には清々しい鑑賞感で満たされた。

 また、最高がマンガの道を歩もうとする動機も、過去の叔父との関係からよく分かるように構成されている。叔父と因縁関係にあった編集長との対立が、最終的に味わい深くまとめられているのも良い。

 大根監督の演出は終始軽快で飽きさせない。時折見せる大胆且つポップな映像センスが素晴らしく、例えば最高たちが机に向かっている背景に漫画のコマを重ねて見せたり、ライバルである新妻エイジと競う読者投票対決をCGを駆使した華やかなアクションで表現したり、様々な工夫を凝らしている。

 エンディングのアイディアも秀逸である。往年のジャンプ・ファンなら思わずニヤリとするだろう。

 キャストでは最高を演じた佐藤健、秋人を演じた神木隆之介、夫々に好演していると思った。漫画原作なので多少の誇張はアリと想定したが、案外現実味のある造形になっていて安心した。また、担当編集・服部を演じた山田孝之も抑制された演技で良かったと思う。

 一方、小豆を演じた小松菜奈に関しては演技が固く、存在感も薄くて物足りなかった。物語のヒロインとしてもっと延び延びと演技して欲しかった。映画が始まって早々に最高と離れ離れになってしまうので出番自体が少なくなってしまったのは仕方がない。しかし、そうであるならば、彼女の視点で描くドラマをどこかに挿入することで、最高に対する想いをもっと強く引き出してやるべきだったのではないだろうか。このままではヒロインとしては中途半端である。
 「モテキ」であれだけ多彩な女優陣を魅力的に描いて見せた大根監督にしては、今回のヒロインの”おざなり”感はいただけない。
[ 2016/11/30 01:26 ] ジャンル青春ドラマ | TB(0) | CM(0)

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