映画ありのまま

こんにちはorはじめまして、ありのと申します。 ここは見た映画について気ままにレビューを垂れ流すブログです。

ルート・アイリッシュ

2017.01.11(23:46)
軍事企業の裏側に迫った社会派サスペンス。
ルート・アイリッシュ [DVD]
角川書店 (2013-10-25)
売り上げランキング: 24,256

「ルート・アイリッシュ」(2010英仏ベルギー伊スペイン)星3
ジャンル社会派・ジャンル戦争・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 リバプールで暮らすファーガスは、親友フランキーを誘って民間兵としてイラク戦争に参加した。契約期間が終わりファーガスが一足先に帰国すると、フランキーが亡骸となって帰ってきた。会社側は、世界一危険な道路“ルート・アイリッシュ”で運悪く敵の襲撃に遭ったと説明する。しかし、遺品の携帯電話に残されていた動画から、ファーガスは会社側の説明に不信感を募らせた。ファーガスはフランキーの妻レイチェルと共に独自に調査を開始する。

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(レビュー)
 元民間兵が親友の戦死の謎に迫っていく社会派サスペンス作品。

 イラク戦争を題材にした映画は幾つか作られており、その多くはアメリカ側から描いた作品である。イラクに大量破壊兵器があると公表した政府を厳然と告発した「フェア・ゲーム」(2010米)、爆破物処理班の恐怖と苦悩を描いたオスカー受賞作「ハート・ロッカー」(2008米)、孤高のスナイパーの苦悩を描いたC・イーストウッド監督作「アメリカン・スナイパー」(2014米)等、色々とある。しかし、本作はイギリス映画である。アメリカ映画には無い痛烈な皮肉が忍ばされているあたりが、いかにもイギリス映画らしくて面白い所である。

 監督はイギリスの名匠ケン・ローチ、脚本は盟友ポール・ラヴァーティ。
 ケン・ローチ監督は本作を製作するにあたってこんなことを言っている。

「この戦争の最大の犠牲者はイラク人であることも忘れてはいけないと思う。私はアメリカ人の兵士こそが最大の犠牲者であるかのような描き方をしたアメリカ映画にはうんざりしている。彼らだって苦しんできたが、イラク人の苦しみもけっして忘れるべきではない」

 これは正にアメリカ映画に対するカウンターとして本作を作った‥ということの表明であろう。この「ルート・アイリッシュ」はイラク戦争を別の視点から描いた意欲作と言うことが出来ると思う。

 尚、「ルート・アイリッシュ」とは、劇中でも解説されているが、バグダッド空港と市内の米軍管轄区域を結ぶ約12キロの道路のことである。ここは最もテロの攻撃に晒されやすい、世界一危険な道路と言われている。

 映画は基本的にはサスペンス・テイストで進行する。ファーガスは、親友フランキーの死の真相を追求していく中で、自分たちを雇っていた民間軍事企業の恐るべき実態を知って行く。
 要は、戦争をビジネスにしている腹黒い連中の懐にメスを入れていくのだが、残念ながらここで描かれていることは現実なのだろう。戦争の犠牲の上に莫大な利益を築く連中がいるという厳然とした事実。映画は、ファーガスの捜査を通してそれを痛烈に批判している。極めて問題意識の高い社会派作品になっていると思った。

 その一方で、物語はファーガスとフランキーの友情ドラマにも焦点を当てて展開されていく。フランキーの妻レイチェルの立ち位置が若干邪魔に映ったのは残念だったが、ともかくも彼らは幼い頃から一緒に育ってきた親友同士であることは冒頭の船上のシーンからも伺える。そんな親友のためにファーガスは身の危険を顧みず、民間軍事企業の悪行を暴いていく。無念の死を遂げた親友の弔う意味もあろう。あるいは、今なお紛争が絶えない世界中の国に対する”正義”の発露でもあろう。ラストで見せるファーガスの”選択”には切なくさせられた…。

 ケン・ローチの演出は丁寧にまとめられていると思った。かなり重いテーマにも関わらず、ファーガスの捜査過程を娯楽風味に味付けした辺りにベテランらしい手腕が感じられる。ハリウッド映画のような派手なアクションシーンは無いが、小品ならではの手堅い作りに好感が持てた。

 尚、本作を見て、思い出した作品があるので付記しておきたい。

 1本目は、武器商人の半生を描いたサスペンス映画「ロード・オブ・ウォー」(2005米)である。本作と同じように軍事企業を題材しているので色々と共通する点が見られるのが興味深かった。もっとも「ロード・オブ・ウォー」は、ハードなテーマを扱っている割に、軽い演出が強めなので自分には今一つ肌に合わない作品だったが‥。

 もう1本は、イラク戦争を避難民の視点から描いた「亀も空を飛ぶ」(2004イラク)という作品である。欧米側から描いた映画とは全く違ったテイストの作品なので、並べて見ると面白いかもしれない。こちらはかなりシビアな作品である。

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