映画ありのまま

こんにちはorはじめまして、ありのと申します。 ここは見た映画について気ままにレビューを垂れ流すブログです。

ブルージャスミン

2018.01.15(14:45)
元セレブの日常をシニカルに綴ったW・アレンの傑作!

「ブルージャスミン」(2013米)star4.gif
ジャンル人間ドラマ・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 事業を経営する夫と愛する息子と幸せな生活を送っていたジャスミンは、会社の倒産で一気に凋落。ニューヨークの高級住宅地から、妹の住むサンフランシスコの安アパートに引っ越してきた。ジャスミンはかつての贅沢な暮らしが忘れられずセレブへの返り咲きを目論むのだが‥。

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(レビュー)
 元セレブの悪戦苦闘をシニカルに描いたヒューマン・コメディ。

 ジャスミンの奮闘は見ててかなり痛々しい。しかし、人間は一度良い目を見てしまうとそれが忘れられず、何度でもその快楽を求めたくなるものである。彼女の「私はセレブなのよ」という態度はイケ好かないが、どこか憐れみや同情心を誘うのも事実だ。それは、そこに人間本来の些末さ、欲望を見てしまうからだろう。何だか他人事のようには思えなかった。

 ジャスミンを演じるのはK・ブランシェット。言わずと知れたハリウッドを代表する名女優である。気品と芯の強さを併せ持った役をやらせればピタリとハマる女優で、そういう意味では今回は敵役だと思った。

 特に、妹の男友達に見せる虚勢を張る演技、精神薄弱に陥っていく終盤の狂気を滲ませた演技は絶品で、これぞ名演と言えよう。彼女は本作でアカデミー賞主演女優賞をはじめ各映画賞を総ざらいにした。

 監督・脚本はW・アレン。ここ最近彼の作品は余り観れてないのだが、今回は久々のヒットだと思う。以前、このブログで紹介した「マッチポイント」(2005英米ルクセンブルグ)は、イギリスの階級社会を痛烈に皮肉った傑作だったが、本作はそれに引けを取らないほど強烈なパンチを持った作品となっている。昨今は洒落たロマコメ路線が続いていたが、今回は久々にガツンと来るビターなコメディで見応えを感じた。

 物語はジャスミンの視線で語る現在と過去のカットバックで構成されている。流麗な展開は大変見やすく、改めてアレンの手腕には唸らされる。

 過去パートは、ジャスミンがいかにして落ちぶれたのかを紹介する回想ドラマとなっている。彼女のバックストーリーを紐解く過程は中々ドラマチックで面白かった。

 一方、現在パートでは、栄光をもう一度と悪あがきをするジャスミンの奮闘ぶりが描かれる。キャリアアップのために勉強をしたり、セクハラされながら地味なアルバイトを我慢したり、友達のパーティーに出かけて新しい恋を探したりetc.涙ぐましいまでの努力は見てて実に不憫極まりないが、次第に彼女の運命は切り開かれていく。‥とは言っても、そこはW・アレンである。只のハッピーエンドでは終わらず、その先には残酷な結末が待ち受けている。

 その結末を見て、自分はジャスミンの人生の暗転は誰でもない、彼女自身がもたらした当然の結果だったのではないか‥という気がした。人間の欲心、エゴ、愛は人を狂わせる‥というアレン流のシニカルなメッセージが観終わった後に胸に突き刺さってくる。特に息子との再会シーンは鳥肌ものだった。

 ジャスミンのキャラクタータッチングも実に上手く、冒頭の飛行機のシーン、妹の子供たちや友達とのやり取りに至る人物造形の妙に感心させられた。また、妹との対位性からもジャスミンの造形は明確に示されており、これも見事だった。

 エンディングにオープニングを重ねた構成も皮肉が効いていて良い。

 ただし、ジャスミンの妹に関しては、やや希薄な造形に留まっており、そこは少々物足りなかった。例えば、どうして夫と別れたのか?新しい恋人と直ぐに寄りを戻した理由は?こうした所の説明が不足しているため、キャラクターが都合よく”動かされている”感じに映ってしまう。

 今回の映画でもう一つ唸らされたことがある。ジャスミンの元夫はやり手の投機家という設定で、これは明らかに現代の格差社会、資本経済に対する批判以外の何物でもないだろう。このあたりは生粋のヒューマニスト、アレンの面目躍如である。人間にとって最も価値があるのは金や名誉ではなく愛だ‥という提言は、現代だからこそ重く受け止めることが出来るのではないだろうか。

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