伝説的マンガの実写映画化第2弾!

「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」(2016日)
ジャンルアクション・ジャンルコメディ
(あらすじ) 世間で次々とパンティが消えるという謎の事件が起こっていた。色丞狂介は愛子のパンティを被って変態仮面に変身して、事件の究明に乗り出す。そんな中、愛子に秘かな思いを寄せる真面目青年、真琴は、狂介に対する嫉妬の憎悪を募らせていく。
ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!


(レビュー) パンティを被って戦うヒーロー、変態仮面の活躍を描いた伝説のコミックの実写映画化第2弾。
「HK/変態仮面」(2013日)と同じスタッフ、キャストで作られた続編である。
前作から数年の月日が経ち、主人公・狂介やヒロイン愛子は大学生という設定になっている。パンティー盗難事件をきっかけにした前回の宿敵・大金玉男との戦い。そして、新キャラ真琴の登場により、狂介と愛子との三角関係が語られている。
前作は非常にハイテンション&お下劣なバカ映画だったが、今回もその流れを継承している。
正直に言うと、前半は少々退屈してしまった。玉男が差し向ける刺客が登場するまでの序盤30分が冗漫である。今回新たに敵役となる真琴絡みのストーリーも平板で、且つ狂介と愛子の関係崩壊も回りくどい形で進行する。そもそも愛子が渡米する必然性はあったのだろうか…。単に「スパイダーマン」のパロディをやりたかっただけなのでは?
本番はやはり宿敵・玉男が登場して以降だろう。キャストのムロツヨシの怪演は今回も健在で笑わせてもらった。狂介を演じる鈴木亮平の鍛え抜かれたボディもそうだが、やはり本作はキャストの魅力に尽きる。
更に、前作で変態仮面と激しい抗争を繰り広げた戸渡役・安田顕も別の役で再登場してくる。今回も嬉々として変態っぷりを披露し、これまた大いに笑わされた。
そして、今回新たに登場するのが「誰も知らない」(2004日)でカンヌ映画祭史上最年少で主演男優賞を受賞した柳楽優弥演じる真琴である。前半の生真面目な大学生という出で立ちから一変。後半では何かが吹っ切れたかのような活き活きとした怪演を見せている。かつての瑞々しい面影は微塵もない。しかし、それが良い。
アクションは前作よりも更にパワーアップしていて見応えを感じた。鈴木亮介の身体を張った格闘も堂に入っているし、撮り方も前作に比べて洗練されている。
ただ、ラストが呆気なかったのは残念だった。これもまた妙味と言えるかもしれないが、せっかく盛り上げておいてこれでは余りにもお粗末すぎる。
先述した「スパイダーマン」のオマージュも本家には遠く及ばない。このチープさが”らしい”と言えば”らしい”が、どうせバカをやるなら、単なる物真似ではなくオリジナルを超えるようなパワーが欲しかった。とはいえ、序盤の「スパイダーマン2」(2004米)のパロディには笑わせてもらったが…。
他に「ベスト・キッド」(1984米)のパロディなども登場して、映画好きには楽しめる内容となっている。
尚、本シリーズは全部で3部作が予定されているらしい。本作では謎が幾つか残されており、それが次作でどう回収されるのか?気になる所である。現状、一部のキャストが変更を余儀なくされているが、このテンションのまま最後まで突っ走って行って欲しい。