映画ありのまま

こんにちはorはじめまして、ありのと申します。 ここは見た映画について気ままにレビューを垂れ流すブログです。

さようなら

2018.05.02(01:05)
空虚な作風が肌に合わず。残念。

「さようなら」(2015日)hoshi2.gif
ジャンルSF・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 原発事故で放射能に汚染された近未来の日本。政府は各国と協議の上、策定した避難計画によって国民を海外へ移住させることを決定した。移民のターニャは、幼い頃に父からプレゼントされたアンドロイドのレオナと一緒に地方の小さな屋敷でひっそりと暮らしていた。周囲の人々が次々と海外へ脱出していく中、彼女だけ取り残されてしまう。

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(レビュー)
 平田オリザの同名戯曲を、彼が主宰する劇団青年団の一員である深田晃司が脚色・監督した異色のSFドラマ。

 本作の下敷きとなった戯曲は短編で、実は以前観た相田和弘監督のドキュメンタリー「演劇Ⅱ」(2012日)の中でも紹介されていた。人間とアンドロイドの演劇という実験的な試みはかなり革新的で、平田オリザの才気に改めて感心させられたものである。

 ただ、この演劇は「働く私」と「さようなら」の二編で構成された舞台で、「演劇Ⅱ」の中で紹介されたのは「働く私」の方だけだったと記憶している。したがって、今回の作品の元となった「さようなら」の方は未見であり、人とアンドロイドのコミュニケーションを題材にした映画…ということ以外は全く知らずに鑑賞した。

 原作はたったの20分しかなく、深田監督は今回の映画化にあたって色々とドラマを膨らませている。サブキャラの追加やエピソードの追加、色々とあるが最も大きな変更は、ドラマを原発事故後の未来に設定した点である。この設定を取り入れたのは、おそらく監督が東日本大震災について色々と思う所があったからだろう。

 あの時の原発事故は、園子温をはじめ多くの映画監督の創作に影響を与えた。今もって、その時の傷痕が癒えない人々が大勢いる。そのことを考えると、こうした形で自分の作品にこの設定を取り込むことは大いに意義のあることだと思う。ある意味では、映画作家として使命の成せる業と言えるかもしれない。

 但し、本作に関して言えば、この設定が果たしてどこまで必要だったのかは疑問に残った。

 メインテーマは人間とアンドロイドの死生観の相違ように思う。逃げ場のない絶望的状況において、果たして生きることとは何なのか?死ぬこととは何なのか?そうした死生観を両者の日常風景を通して淡々と訴えかけている。
 しかしながら、今回の場合はこの極限的状況を作るために、わざわざ原発事故を持ち込んだ必然性が余り感じられなかった。これが仮に先の東日本大震災を憂うような社会派作品であるのなら納得できる。それがテーマに直接関係しているからだ。しかし、本作のテーマはあくまで死生観、更に言えば奇跡とも言えるラストが示すような”生命の尊さ”であろう。それを描く上で、この設定はかなり邪魔に映ってしまった。

 本作は他にもエピソードの膨らませ方が余り上手くないな…と思う箇所が幾つかあった。
 例えば、中盤に登場した若いカップルは一体何のために出てきたのだろうか?ターニャとさとしの関係に呼応させるためだったとしても、わざわざ出すほどの意味が感じられない。そもそも、避難民同士の結婚についてはセリフだけで説明が済むはずである。実に回りくどい。

 この映画は他にもスローテンポな長回しが多く、かなり水増ししているような印象を受けた。タルコフスキーの映画のように映像に力強さがあればそれでもいいのだが、本作にはそこまでの魅力が感じられない。これまで観てきた深田作品と比べると明らかに間延びしてる。

 映像演出でも鼻につく箇所があった。後半から画面が歪になるのだが、これは何の意図があってこうしているのだろう?世界が歪に見えるというターニャの心象を表現しているのだろうか?

 ラストも想像通りのオチで残念だった。余りにもストレートすぎて感動できない。

 かように今回の作品に限って言えば、深田監督の冴えがまったく感じられず、残念がら凡作という感じがした。
 唯一、見応えがあったのは佐野のエピソードだろうか…。最愛の息子との別れがしみじみと描かれ、ここだけで1本のドラマが作れそうなくらい興味深いバックストーリーが想像できた。

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