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映画ありのまま

こんにちはorはじめまして、ありのと申します。 ここは見た映画について気ままにレビューを垂れ流すブログです。

リアル~完全なる首長竜の日~

2018.05.08(17:09)
どこかで見たことのあるような設定だが演出力でグイグイ惹きつけられる。

「リアル~完全なる首長竜の日~」(2013日)星3
ジャンルSF・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 漫画家として行き詰まりを感じた淳美は自殺未遂を起こして昏睡状態に陥ってしまう。それから1年後。幼なじみで恋人の浩市は“センシング”という最新医療で彼女の意識に潜り込んで自殺の真相を探ろうとする。その中で、浩市は彼女から幼い頃に描いた首長竜の絵を探してほしいと頼まれる。早速、浩市は生まれ故郷である飛古根島へと向かうのだが‥。

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(レビュー)
 第9回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した乾緑郎の小説 を黒沢清が監督したSFサスペンス作品。

 自殺未遂を起こした恋人のために現実と虚構を彷徨う男の数奇な運命をドラマチックに描いている。ストーリーや設定が原作からかなり脚色されているらしいが、特に不自然に感じる所もなく、後半には驚きの展開も用意されており、個人的には最後まで面白く見ることが出来た。

 尚、脚本は黒沢清と田中幸子が共同で執筆している。このコンビは「トウキョウソナタ」(2008日)以来のタッグとなる。「トウキョウソナタ」も中々によく出来たホームドラマで、黒沢清らしいホラー・タッチで牽引していった所が白眉だった。香川照之演じる主人公にとっての家族の理想形が脆くも崩れ去っていく皮肉な結末は、”現実と幻想の乖離”そのものである。

 その”現実と幻想の乖離”は本作でも重要なモチーフとなっている。
 ”センシング”という最新医療技術によって、浩市は淳美の意識下にダイブする。一見すると、そこはほとんど現実と変わらないリアルな世界となっている。しかし、そこかしこに異形の物体が突然存在したり、非現実な現象が起こったりしてドキリとさせられる。
 そして、浩市がこの”センシング”にのめり込んでいくと、今度は彼の現実世界に徐々に不思議な現象が起こり始めるのだ。ここが非常にこの映画は上手い。実は、それらはすべて後半のどんでん返しに繋がる伏線となっている。

 例えば、浩市が編集者を乗せて車を走らせるシーン。背景は明らかに合成で非現実感を強調した画面作りとなっている。誰が見ても違和感を抱くだろうこのシーンは後の伏線となっている。
 あるいは浩市が博物館で目撃する異形の死体、周囲から浮いた子供たちの姿等も実に不気味で、このあたりも黒沢清らしいビジュアルショック演出が奏功し大変インパクトがある。これらも映画を観終わると全ての意味が判明する。

 映像的にもう一つ印象に残ったのは、浩市の故郷、飛古根島の景観だった。かつて巨大リゾート施設を建築しようとしていたがバブルが崩壊したことによって、今ではすっかり見すぼらしい廃墟と化し”死んだ町”となっている。このあたりの”終末観”は同氏の作品「叫」(2006日)にも通じる物悲しさ、虚しさが感じられた。特に、遠方にそびえ立つ観覧車が素晴らしい。CGで描き足したものなのだろうか?

 CGと言えば、本作にはクライマックスに首長竜が登場してくる。これも中々によく出来ている。邦画でCGというとハリウッドに比べて今一陳腐なイメージがあるが、本作に限って言えばそんなことはない。もっとも、廃工場のCGは余りにもリアリティが乏しく興醒めしてしまったが…。このあたりは重量感をもっと意識して欲しかった。

 物語的には、このクライマックスを経て一応のハッピーエンドを迎える。落ち着くところに落ち着くので鑑賞感は悪くない。
 ただ、どうして意識下に首長竜のイメージが強く残っていたのか?その理由は今一つしっくりと来なかった。そこには浩市と淳美を結びつけた”ある物”が深く関わっているのだが、そんな理由で?と思えるような代物で得心がいかない。ここが決まれば鑑賞感はもっと満足いくものとなっただろう。少しだけモヤモヤとした疑問が残ったのは残念だった。

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