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映画ありのまま

こんにちはorはじめまして、ありのと申します。 ここは見た映画について気ままにレビューを垂れ流すブログです。

ボーダーライン

2018.11.20(00:39)
麻薬戦争の恐ろしさを臨場感たっぷりに描いた作品。

「ボーダーライン」(2015米)星3
ジャンルアクション・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 FBIの誘拐即応班の女性捜査官ケイト・メイサーは、メキシコの麻薬組織壊滅を指揮するマットにスカウトされて極秘任務に参加する。そこにはコンサルタントとしてチームに同行する謎のコロンビア人アレハンドロがいた。ケイトは彼らとメキシコの麻薬紛争地帯フアレスへ向かうのだが…。

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(レビュー)
 FBI女性捜査官の目を通してメキシコの麻薬戦争の実態を臨場感たっぷりに描いたアクション作品。

 「トラフィック」(2000米)以降、メキシコと言うとこの手の題材がお約束のように出てくるが、本作はそこを外(アメリカ)の視点で描きながら内(メキシコ)の視点でも描いた所が特異である。

 映画はケイトの捜査シーンから始まるが、同時にメキシコの”ある男”の朝から始まる。男は息子や妻と幸せなひと時を過ごしている。一体このドラマに何の関係があるのか?それは映画を観ていても暫く分からない。しかし、映画の終盤にかけて、この男とケイトのドラマが交差する。そこで初めて彼が何者だったのかが分かり衝撃が走る。

 本作は麻薬戦争の実態を”外”から描くことを主としているが、一方でこの男のように麻薬戦争に巻き込まれてしまう平凡な市民のドラマ。つまりメキシコの悲惨な状況にも照射している。単なるアクションサスペンス作品という枠を超えた、メキシコの社会の実態に迫った悲劇のドラマとして重い鑑賞感が残る。

 また、特殊部隊に同行するコンサルタント、アレハンドロの素性も後半で判明し、これも衝撃的だった。彼はコロンビア人で、今回の作戦には並々ならぬ執念でのぞんでいる。そのバックボーンからコロンビアとメキシコの間で繰り広げられた麻薬戦争の歴史が垣間見える。

 今でこそメキシコが麻薬密輸の温床のように言われているが、実はそうなる以前はコロンビアがそうだった。しかし、90年代に入ってからコロンビアの主要なカルテルが壊滅し、麻薬の市場は一気にメキシコへと移行していった。こうした歴史的背景を踏まえて本作を観ると更に面白い。アレハンドロの半生が垣間見えてくる。麻薬戦争を描いた映画で、ここまで踏み込んだ作品はそうそうないだろう。

 監督はD・ヴィルヌーヴ。相変わらず緊張感を漂わせた演出は今回も健在である。

 例えば、冒頭の爆破シーンはそうなるだろうと分かっていても手に汗握ってしまった。また、メキシコ国境の検問所を舞台にした銃撃戦も面白く観れた。ケイトたちが乗った車両が渋滞に捕まり敵に囲まれてしまうという状況。これが実にスリリングだった。
 説明を配した拷問シーンのスマートさも見事である。排水口のアップでアメリカとメキシコを繋ぐ”トンネル”の存在を暗に示した演出が秀逸だった。
 また、終盤のケイトとアレハンドロの対峙も非常に痺れた。アレハンドロたちの部隊はFBIやCIAから独立した超法規的な実行部隊である。敵のアジトを襲撃するのにも書類などは通さない。それがこのシーンで初めて誓約書という”書類”が出てくるのだ。実にユーモアが効いている。思わずニヤリとさせられた。

 改めてヴィルヌーヴの演出手腕、緊迫感を漂わせたシークエンス作りの上手さに感服した。

 ただ、一方で派手なアクション(主に銃撃戦)は存外単調で余り面白味は感じられなかった。
 クライマックスの銃撃戦などは実に平凡である。おそらくリアリティを追求してのことだろうが、少し物足りさを感じた。暗視カメラによるPOV演出が上手く緊迫感を作り上げていただけに勿体ない。同じ暗視カメラであれば「ゼロ・ダーク・サーティ」(2012米)のクライマックスの方が恐怖を感じた。このあたりがヴィルヌーヴとK・ビグローの資質の違いだろうか。

 撮影監督は名手ロジャー・ディーキンス。言わずと知れた名カメラマンで、ちょっと器用貧乏な所があるが、今回も素晴らしい働きを見せている。特に、クライマックスの銃撃戦の手前、朝焼けの中を突撃するシークエンスの美しさに惚れ惚れさせられた。

 キャストでは、何と言ってもカルロスを演じたベニチオ・デル・トロの圧倒的存在感。これに尽きる。思えば、彼は先述の「トラフィック」にも出演していた。今回はそれとはまったく異なる謎めいた男をニヒルに演じている。両方を見比べてみるのも面白かもしれない。

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