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第七の封印

死を寓話的に描いた作品。

「第七の封印」(1956スウェーデン)星3
ジャンルファンタジー・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 十字軍から生還した騎士アントニウスは浜辺で死神に出会う。その後、アントニウスは従者のヨンスと共に故郷に戻る旅に出た。その途中で彼らは、幼い赤ん坊を抱えながら旅一座をしている夫婦と出会う。更に、ワケアリな少女、妻に逃げられた鍛冶職人といった人々と出会いながら旅は続いていく。

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(レビュー)
 死神に取りつかれた騎士の旅を寓話的に描いた作品。

 監督・脚本はI・ベルイマン。氏が生涯通して描いた「死」をテーマにした作品である。どちらかというとシリアスな作品が多いベルイマンだが、今回は時にユーモラスな演出を押し出した作りになっている。

 そのユーモアを最も体現しているのが、旅一座の夫婦である。彼らの暮らしは貧しい。しかし、ペストの万延、魔女裁判、強盗、殺人といった殺伐とした世界で唯一光り輝く”希望”のように存在している。劇中には死神が登場して人々を惑わし、罪に走らせるが、彼ら夫婦だけは最後まで悪行に走ることがなかった。そこが救いである。自分は、彼らこそこの映画の真の主役なのではないか…という気がした。

 映画の中盤、旅一座と間男、その間男に妻を奪われた鍛冶職人の複雑な不倫騒動が描かれる。これも艶笑風で中々面白かった。この辺りは、前作「夏の世は三たび微笑む」(1955スウェーデン)に共通したテイストが伺える。

 死神にまつわる一連の描写もブラックコメディとして楽しめる。なぜアントニウスにしか見えないのかは謎だが、そこも含めて不思議な味わいを醸す。

 ベルイマンと言うとヘビーでシリアスな作風というイメージだが、このように今回はユーモア・テイストが横溢しているので他の作品よりも取っつきやすい。おそらく多くの人が見ても楽しめる作品なのではないかと思う。

 とはいえ、全体的にはシビアなドラマであることは間違いない。観る人によっては鑑賞感はズシリと重いものとなるだろう。

 特に、ラストのシルエット演出が印象深かった。まるでハーメルンの笛吹きよろしく、死神に連れて行かれるアントニウスたちの姿に怖さと幾ばくかの安らぎが感じられた。結局「死」から逃れられなかったのか…と思う一方、暗く苦しい現世から解き放たれたのだから彼らは救われたのだ…という捉え方もできる。

 やはりベルイマンが描く「死」というテーマは一筋縄ではいかない。死神に連れて行かれるアントニウスたちの「死」は、安易にアン・ハッピーエンドとは取れない面がある。
[ 2019/02/22 00:10 ] ジャンルファンタジー | TB(0) | CM(0)

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