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上意討ち-拝領妻始末-

久しぶりに硬派な時代劇を見たという感じ。
終盤が今一だったが、それ以外は見事な作り。
上意討ち-拝領妻始末-上意討ち-拝領妻始末-
(2004/12/23)
三船敏郎

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「上意討ち 拝領妻始末」(1967日)星4
ジャンルアクション・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 会津藩士笹原伊三郎の元に、松平正容の側室お市を長男与五郎の妻に拝領せよという命が下される。お市が出されるのは正容に無礼をはたらいたからだと言う。お家のために伊三郎はこれを受けた。ところが、噂とは裏腹にお市は気立ての良い娘だった。よくよく聞けば、大奥での一件は実に気の毒な理由から起こったものであることが分かる。やがて与五郎との間に女児をもうけ、一家は幸せな暮らしを送る。そんなある日、またしても正容より藩命が下される。それは余りにも理不尽極まるものだった。
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(レビュー)
 理不尽な封建制秩序と戦う武士のドラマ。

 いかにも時代劇らしい凛とした風格を持った作品である。伊三郎、与五郎夫々に己の誇りのためにお上に抗う様は、天晴れとしか言いようがない。何があってもこれだけは曲げられないという強い信念、男の生き様が感じられた。

 ただ、終盤の展開は少し冗長という気がした。伊三郎と帯刀の決闘シーンは大いに盛り上がりクライマックスとしては申し分ない。しかし、その後に続く展開は少々くどいという印象を持ってしまった。全編が緊迫感溢れるリアルな戦いなのに、ここだけは余りにも荒唐無稽に演出されている。せっかくの緊張感漂う作風がここで一気にぶち壊されてしまった気分にさせられる。
 伊三郎を演じるのは三船敏郎。本作は三船プロダクションの製作である。終盤の戦いにおける過剰なヒロイックさに、何となく俳優としての欲心を穿って見てしまうのだが‥。

 ところで、今作で少し変わっていて面白いと思ったのは、伊三郎が妻に頭が上がらないという設定である。彼は婿養子という立場で家の中では肩身の狭い思いをしている。当時の男権主義社会というイメージを逆手にとったユーモラスな設定で「必殺仕事人」の中村主水を連想した。
 そもそも旧来の封建制度に反目する伊三郎であるから、当然男尊女卑という古い考え方も彼の中には存在しない。力の弱い女、子供には優しくする‥という頼もしきヒーロー性がそこに表れているような気がした。

 監督は小林正樹。静と動のギャップを巧みに利用した演出は息詰まるような緊迫感を作り、整然とした映像構図にはある種の視的快感も覚える。これらによって今作には時代劇らしい凛とした風格が生まれている。
 また、武光徹の音楽はひたすら暗いのだが、小林演出のトーンとの相性で言えば程よくマッチしていると思った。
 難は、時々メイクと照明が過剰になる点か‥。これはいただけなかった。

 キャストでは帯刀を演じる仲代達也の演技が印象に残った。瞬きをしないロボットのような風貌を貫き、情に惑わされない冷徹な人間である事がその表情からはっきりと分かる。
[ 2008/06/14 01:17 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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