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映画ありのまま

こんにちはorはじめまして、ありのと申します。 ここは見た映画について気ままにレビューを垂れ流すブログです。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

2019.09.06(00:22)
タランティーノが描く古きアメリカ映画への郷愁。
pict385.jpg
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019米)star4.gif
ジャンルサスペンス・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 落ち目のTV俳優リックは、お抱えスタントマン、クリフとショウビズ界をしぶとく生き抜いてきた名コンビである。ある日、リックはプロデューサーから厳しい現実を突きつけら心が折れてしまう。そんな時、彼の自宅の隣に売れっ子映画監督ロマンとその妻シャロンが越してきた。彼らとの勢いの差を痛感したリックはますます自信を無くし…。

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(レビュー)
 1969年に起こったシャロン・テート殺人事件をモチーフに、Q・タランティーノ監督が郷愁たっぷりに描いたハリウッド内幕モノ。

 物語はリックたちとシャロンのある一日を描く形で進行する。当時のハリウッドの機運、空気感がそこかしこに嗅ぎ取れるのが映画ファンとしてはたまらない。懐かしい風景や小道具が完全に69年代の世界観を構築しており、このあたりのプロダクション・デザインの仕事ぶりに感心させられる。

 また、タランティーノの映画らしく、映画にまつわる固有名詞がたくさん出てくるのも映画ファンならニヤリとしてしまうだろう。

 こうした物語の背景や実在した名前を知っていると、本作はより楽しめる作品となっている。
 特にシャロン・テートの事件を知っていると知っていないとでは、本作に対する感動の仕方は大きく異なるだろう。あらかじめ調べておいてから観たほうが良い。

 ところで、なぜ今敢えてタランティーノがこの映画を撮ったのか。自分はそのことが非常に気になった。いまだ語り継がれるシャロン・テート事件を敢えて描くというのは、かなり大胆であるしスキャンダラスなことである。それは本作のクライマックスに答えが隠されているが、もう一つ。この事件が起きた1969年という時代そのものが関係しているのではないかと想像する。

 1969年と言えば、いわゆるアメリカン・ニュー・シネマ全盛の時代である。それまでの夢とロマンにあふれたハリウッド映画に対するカウンターとして現れたこのムーブメントは、当時の若者たちを熱狂させた。そうした若者たちの一つの象徴が、本作にも登場するチャールズ・マンソン率いるヒッピー集団である。

 リックは彼らヒッピーをまるでゴミでも見るかのように忌み嫌い、口汚く罵倒する。クリフはリックほどセレブな世界に浸かりきってないせいか、まだ彼らとコミュニケーションをとる余裕を持っている。しかし、映画中盤で彼らが住む映画牧場に実際に足を踏み入れると、あまりにも稚拙な彼らに呆れ果てて喧嘩になってしまう。

 このように、本作はマンソン・ファミリー(新世代)とリック&クリフ(旧世代)を常に対位的に描いている。つまり、この映画は新世代と旧世代が対立する世代闘争のドラマのように思えてくるのだ。

 実際、ほかにもこの映画の中には世代間の闘争は見られる。
 かつて映画で主演を張っていた人気スターのリック。今や彼を押しのけて主役の座につく若い俳優。彼らの関係も新世代と旧世代の対立構図を表してる。

 また、かつてリックの専属スタントマンとして大活躍していたクリフ。もはやスタントマンを使わないブルース・リーという稀代のアクションスター。これも対立する新旧世代を表してる。

 かつての古き良きアメリカ映画が衰退し、若者たちの青春像を描くニュー・シネマが席巻していった1969年という時代。映画マニアのタランティーノのこと。アメリカ映画の一つの分岐点とも言える、この時代を描くことは、彼にとっての悲願だったのではないだろうか。

 もちろん、タランティーノ自身がインタビューで答えている通り、当時6歳だった彼がこの頃に観た映画に大きな影響を受けた…というのも創作の一つのきっかけになっていたことは事実だろう。

 しかし、そんな郷愁の思いはあるにせよ、やはり彼自身がアメリカ映画史におけるターニング・ポイントを描かずにはいられなかったのではないかと思う。

 本編には様々な映画人が登場してくるのも楽しみの一つである。ブルース・リー、S・マックィーン等、有名スターが登場してくる。

 他に、過去のフィルムにリックやシャロンを登場させるという「フォレスト・ガンプ 一期一会」(1994米)方式のCG合成もなかなか凝っていて楽しめた。

 こうした遊び心は、ドラマの本筋には直接関係ないが、タランティーノの面目躍如といったところである。

 ラストも痛快で大いに結構。賛否あるかもしれないが、タランティーノは「イングロリアス・バスターズ」(2009米)でもこうしたIF(イフ)物をやっているし、彼らしいといえば彼らしい。理屈を吹き飛ばすほどのカタルシスが心地よかった。

 キャスト陣も豪華で見ごたえがある。
 L・ディカプリオ、B・ピットは、それぞれ過去のタランティーノの映画で出演しており、晴れて今回の初顔合わせとなった。誰もが認める大スターである。その絡みが見れるというだけでワクワクしてしまう。
 他にマーゴット・ロビー、アル・パチーノ、ブルース・ダーン、ダコタ・ファニング、カート・ラッセル、ティム・ロスらが出演している。そしてタランティーノ映画の常連M・マドセンもチョイ役で登場している。

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