殺し屋の顛末をとことん非情に描き切ったシリーズ第3弾!
「ジョン・ウィック:パラベラム」(2019米)
ジャンルアクション
(あらすじ) 伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、裏社会の聖域“コンチネンタルホテル”で不殺の掟を破ったため、元締めの“主席連合”の粛清を受けることになった。行く先々で暗殺者と死闘を繰り広げていく中、かつて“血の誓印”を交わした元殺し屋ソフィアに協力を求めるべくモロッコへと向かう。
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(レビュー) K・リーヴスが孤高の殺し屋を演じるアクション映画「ジョン・ウィック」シリーズ第3弾。
ハイテンションなアクションとキアヌのニヒルな格好良さ。この二つが本シリーズの売りとなっている。
今回は前作のエンディングから直結する内容で、ジョンが殺し屋の元締めである”主席連合”から命を狙われるという話である。
主要スタッフ、キャストは前作から引き継がれているので、これまで観てきた人なら違和感なく観れるだろう。
監督はキアヌ主演の「マトリックス」シリーズのアクション監督を務めたチャド・スタエルスキ。とにかくアクションの連続で押し切る豪快な作品となっている。130分強の長さながら体感時間としては100分程度に感じられた。とにかく全然飽きさせない構成は見事である。
何しろ映画開幕からハイテンションである。のっけから派手なアクションのつるべ打ちで、この先一体どうなるのかワクワクさせられた。
特に、馬を使ったアクションシーンは新鮮で、こうした新しいアイディアが本シリーズでは毎回お目にかかれる。
また、見どころと言えば後半のバイク・チェイスも大きな見どころだ。明らかに「悪女/AKUJO」(2017韓国)のパクリであるが、アメリカ映画では中々見ないアクション演出で、こういうアイディアを果敢に取り入れるのも良い試みに思えた。
終盤の豪快な銃撃戦も、ハイスペックな装備によってジョンはこれまでにない戦い方を余儀なくされる。どこまでも過剰に、どこまでも過激にというアクション演出のインフレを、ある種突破した感があり、もはや敵は人間ではなくゾンビやモンスターの類と言っても過言ではない。
加えて、今回は
「ザ・レイド」(2011インドネシア)でもお馴染みヤヤン・ルヒアン等、シラッドの使い手も登場する。ガン・アクションとカン・フーを掛け合わせたガン・フーは今回も健在だ。
要所で見せるユーモアも中々楽しめる。主に犬にまつわるものが多いが、こちらも微笑ましく見れた。
もう一つの本作の目玉ハル・ベリー演じる女殺し屋だが、残念ながらこちらはそれほど出番は多くない。物語の大きなきっかけを司るキー・キャラなのは間違いないが、物語の途中で退場してしまう。中盤でキアヌ同様、体を張ったアクションを繰り広げていただけに少し勿体なく感じられた。
尚、終わり方は次回に続くような形でまとめられている。本シリーズは回を追うごとに興行的に成功を収めているので、さらなる続編も視野に入れてるのかもしれない。ただし、主演のキアヌは「マトリックス」の続編も準備中ということで、本シリーズへの続投は流石に余裕がないか…。