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映画ありのまま

こんにちはorはじめまして、ありのと申します。 ここは見た映画について気ままにレビューを垂れ流すブログです。

ジョーカー

2019.10.10(01:20)
稀代のヴィラン誕生の物語は悲喜劇によって彩られた社会派的傑作。
pict387.jpg
「ジョーカー」(2019米)星5
ジャンルファンタジー・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ)
 不況と混乱に喘ぐゴッサムシティの片隅で、コメディアンになることを夢見ながらピエロのメイクで大道芸人をしているアーサーは、体の弱い母とつつましく暮らしていた。ある日、行政の財政難でセラピーを打ち切られてしまう。更に、仕事のトラブルから職を失い、彼は自暴自棄になってしまう。そんな時、同じアパートに住むシングルマザーのソフィーに出会い、少しだけ心が和らいでいくのだが…。

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(レビュー)
 DCコミックのヒーロー「バットマン」の好敵手として知られるジョーカー。この映画はその誕生を描いたシビアな社会派人間ドラマである。

 これまでのDCアメコミ映画とは完全に手触りの違う映画になっている。いわゆるヒーローが登場して悪人を退治するという勧善懲悪モノではない。本作にはバットマンは登場してこないし、派手なCGを駆使したアクション・シーンもない。いわゆる隠滅とした人間ドラマを目指した作品である。そして、もちろんジョーカーというキャラクターありきで始まった作品ではあるが、主人公は別にジョーカーでなくても成立する作品だと思った。従来のアメコミ映画ファンからどう受け止められるか、興味深いところである。

 監督・共同製作・共同脚本は「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最区の二日酔い」(2009米)のトッド・フィリップス。コメディを得意とする監督だが、今回はそれとは真逆なシリアスなドラマである。これまでのイメージを考えると意外に思えるかもしれない。
 ただ、ジョーカーというキャラクターは元々はコメディアンになりたかったアーサーという男で、そこに着目すれば彼が本作に製作まで買って出て監督したことは何となく理解もできる。

 そもそも喜劇と悲劇は表裏一体である。劇中でアーサーが、喜劇は”主観”が決定するものだと語っているが、これはその通りで喜劇は逆の目で見れば悲劇にもなりうるものである。例えば、チャップリンの映画などはその良い例である。窮地に立たされ困り果てる彼を見て観客は笑う。当人にとっては悲劇かもしれないが、それを見ている我々にとっては喜劇なのだ。

 フィリップス監督は確かに喜劇の監督かもしれない。しかし、笑いというものを知り尽くしているからこそ、逆にこれほどに悲劇のドラマを描けたのだと思う。

 実際に「ハングオーバー~」のドタバタ狂騒は、コメディとして作られているから笑えるが、客観的に見れば相当底意地の悪い悲劇である。今思えば、フィリップス監督がシリアスなドラマを描けることはすでにこの時から証明していたのだ。
 こうした意味から、彼が今回このようなシリアスな作品を撮ったことは至極合点がいく。

 そして、このシリアスさの肝を成すのがリアリティが備わった世界観である。
 これまでのアメコミ映画は、原作を再現することを主眼に置き、あくまでファンタジーのように描かれていた。しかし、本作の世界は、我々が生きている現実の世界とよく似ている。架空の町を舞台にしているのにも関わらず、貧富の差や、公害問題、デモの行進、ビルの外壁に書かれたペイント、薄暗い地下鉄といった街並みがすぐ傍にあるかのように見えるのだ。

 そして、アーサーは特別な力を持っているわけではなく、むしろ貧弱で心優しい気弱な青年だ。これまでのどのヴィランよりも我々に近しい存在に思えてくる。それゆえ感情移入もしやすい。

 この映画を観て、アーサーが不憫に見えてしまうのは、こうしたしっかりとした世界観、人物造形にリアリティが追及されているからであろう。

 そんな中、アーサーの心のよりどころなっていくのが、同じアパートの住むシングルマザーのソフィーとテレビショーの人気司会者マレーである。彼らは、過酷で非情な現実を忘れさせてくれるアーサーの救いとなっていく。この二人は、アーサーがジョーカーとして覚醒していくまでのプロット上、とても上手く機能している。

 また、アーサーの母についても後半で衝撃の事実が判明し、これまたジョーカー覚醒のドラマに強い説得力をもたらしている。

 更に、アーサーがジョーカーになるための最後のピースとして、この映画は結末で”とんでもないモノ”を見せてくれる。それが何かは実際にその目で見届けてほしい。たった一人の人間から始まった”悪”が”巨大な悪”へ膨張していくキーフックとして何が関係しているのか?実に恐ろしく悲しいものが見えてくる。

 このようにストーリーの中にはアーサーがジョーカーになっていく”必然性”が「これでもか!」と詰め込まれており、シナリオ自体は実に濃密で重厚に作られていると思った。

 ちなみに、今回のドラマの裏側ではバットマンことブルース・ウェインに関するトピックも少しだけ描かれている。原作を知っている人なら思わず頷けるようなエピソードとなっている。

 キャスト陣では、アーサー役を演じたホアキン・フェニックスの熱演。これに尽きると思う。これまでジョーカーは数々の名優が演じてきたが、それとはかなり異なるアプローチで今回のジョーカーを作り上げている。エキセントリックな中に時折見せる弱さ、愚かさをセンシティブに表現しており、ここ最近の彼のパフォーマンスはどれも絶好調という感じがした。今回は冒頭からしてその凄みが実感できた。

 ドラマのキーマンであるマレーを演じるのはロバート・デ・ニーロ。本作を観て思い出したのが、彼が主演した「キング・オブ・コメディ」(1983米)という作品である。そこでのデ・ニーロは、人気コメディアンに憧れる芸人志望の青年という役どころだった。ちょうど今回のホアキン演じるアーサーと重なるような役なのが興味深い。このキャスティングも絶妙だった。

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突然の訪問、失礼いたします。
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【2019/10/10 01:58】 | #- | [edit]












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