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アナと雪の女王2

大ヒットアニメの続編。手堅い作りであるが…。
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「アナと雪の女王2」(2019米)星3
ジャンルアニメ・ジャンルファンタジー・ジャンル音楽・ジャンルアクション・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 アレンデール王国の女王エルサは、深い絆で結ばれた妹アナと平穏で幸せな日々を過ごしていた。しかしある日、エルサにだけ不思議な歌声が聞こえ、王国に危機が訪れる。歌声の正体を探すため、アナとエルサは仲間のクリストフやオラフと共に旅に出るのだが…。

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(レビュー)
 全世界で大ヒットを飛ばしたディズニーアニメ「アナと雪の女王」(2013米)の続編。

 お馴染みのキャラたちが歌あり、笑いあり、アクションありの冒険を繰り広げる内容で、前作同様、家族揃って楽しめる良作となっている。
 ほとんどケチをつけるところがない完ぺきな内容で、さすがはディズニーと感服した。

 ただし、1点だけどうしても気になる箇所があった。それはクライマックスのあるシーンである。あの時点でアナたちはアレンデールが無事とは知らなかったはずである。それなのに喜んでいるのはどうだろうか?客観的に見ておかしい。

 さて、前作はいわゆるこれまでの”お姫様物”のアンチテーゼという点が非常に革新的で、そこが作品最大のポイントだったように思う。もちろん「レット・イット・ゴー」というキラーチューンも心揺さぶる名曲で、ミュージカル映画としても優れた傑作になっていた。

 それに比べると本作は、テーマ、歌曲共に余り新味は感じられない。エンタメとしてそつなく作っていることは確かだが、前作のようなインパクトは感じられなかった。

 エルサが自分の魔法の秘密を探るというドラマ自体は悪くはない。前作を観た者であれば彼女の出自は誰もが気になるところであろう。そこをメインに据えたことで物語の流れは自然なものになっていた。ただし、前作の革新的なテーマに比べると、どこかありきたりな感じも受けた。

 しかも、その間にもう一人の主人公であるアナは何をしているかというと、エルサを守ることに奔走するだけで、彼女自身の葛藤や出自に対する疑問といったものが全く語られていない。彼女のエルサに対する姉妹愛はもはや盲目的とも言っていい。生きたキャラクターにするためには、アナの葛藤も描かれて然るべきであろう。本作はそこを完全にスルーしてしまっており非常に残念だった。

 他のキャラについても同様で、前作で自己犠牲という行動で究極的な愛を示したオラフもここでは安易なマスコット的な立場に収まっている。
 クリストフについては、かろうじてアナに対する恋愛感情をひたすら訴えることで、どうにかキャラクター的な存在意義を確保していたが、それにしたって前作からの流れから言えばたいして変化はない。

 楽曲は前半にかかる「イントゥ・ジ・アンノウン」が最もテンションを上げるし、これをキラーチューンとしているのだろう。エルサの葛藤を表したやや内省的な曲調と歌詞であり挑戦的とは思うが、「レット・イット・ゴー」のように気持ちよく乗れるかと言うと、そこまでのポップさはない。

 それよりも、個人的には中盤でクリストフが歌う曲が気に入った。80年代テイスト全開のMVパロディになっていて、こうしたお遊びは大変楽しい。逆に、これだけが他に比べて浮いているという気がするが、それだけユニークで斬新だったということだろう。

 出来ればこうした斬新さがドラマや曲にもっと欲しかったような気がする。
 前作が大ヒットしたこともあり、今回はその流れに乗って余り冒険的なことをできなかったのではないだろうか。何となく観終わった後にそんな気がしてしまった。

 一方で、映像に関しては相変わらず文句なしである。特に、今回は水の表現が多いのだが、大波のシーンや、水の精霊の表現は絶品だった。映像に対するこだわりが存分に感じられた。

 尚、今回も吹替え版で鑑賞した。オラフ役が変更になったのは残念だが、ほとんど気にならないどころか、まったく違和感なく自然に聞けた。他はすべて前作から変わりなく、歌も芝居も満足いくものだった。
[ 2019/12/24 00:19 ] ジャンルアニメ | TB(0) | CM(0)

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