FC2ブログ










10クローバーフィールド・レーン

衝撃のシリーズ第2弾は前作からガラリと視点を変えて…。

「10クローバーフィールド・レーン」(2016米)星3
ジャンルSF・ジャンルアクション・ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 車を運転中に事故を起こした女性ミシェルは。気が付くと見知らぬ地下シェルターで拘束されていた。そこにシェルターの所有者を名乗る中年男ハワードがやってくる。彼の隣には腕をケガしたエメットという青年がいた。自分が閉じ込めたれている理由を聞くと、外で恐ろしいことが起きているからと言われる。俄かには信じられないミシェルは彼らと共同生活を送りながら脱出のチャンスを伺う。

ランキング参加中です。よろしければポチッとお願いします!

FC2ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ人気ブログランキングへ

(レビュー)
 巨大怪獣がニューヨークに現れて街を大パニックに陥れた「クローバーフィールド/HAKAISHA」 (2008米)の続編。製作のJ・J・エイブラムスが引き続きプロデューサーを務め、前作とは違った視点でこの物語を描いている。

 なるほどそういう切り口があったか、と思わせるような新鮮な続編になっている。基本的には男女3人の密室劇で、前作のような派手さはない。しかし、新機軸を見せてくれたという点では面白く観れる作品だった。

 思い出されるのは、終末世界の密室サバイバルを描いた「ゾンビ」(1978米伊)である。あの映画の後半もショッピングモールを舞台に怠惰な日常シーンが描かれていた。本作でも同じような共同生活が描かれる。但し、こちらはそれぞれに疑心暗鬼に駆られているという点で多少肌触りが異なる。ピリピリと凍てつくような緊張感に溢れた密室劇となっている。

 例えば、若いミシェルとエメットが仲良くなると、シェルターの支配者であるハワードは嫉妬に駆られて逆上する。実は、すべてはここから脱出を目論むミシェルの画策で、エメットもそれにまんまと利用されていただけ…というのが分かって面白い。3人の力関係、パワーゲーム、駆け引きがこの密室劇をグンと面白くしている。

 また、ハワードはミシェルを心のどこかで我が子のように思っている節が感じられた。3人で退屈しのぎにゲームをするのだが、そこでハワードは「小公女」の名前を出す。
 言わずと知れた児童文学の名著であり、日本では「小公女セーラ」というタイトルでアニメ化もされた有名な作品である。また、A・キュアロン監督によって1995年に実写映画化もされた。
 この「小公女」というキーワードには、ミシェル=未成熟な少女という意味が隠されているような気がする。そう考えると、普段は暴君であるハワードの”親心”が少しだけ透けて見えて憐れに思えてくる。

 前作のような怪獣が出てこずとも、このようなさりげない感情のぶつかり合い、騙しあい、すれ違いを読み解いていけば、本作は十分に見ごたえのあるエンタメ作品として楽しむことができる。

 尚、共同脚本にD・チャゼルの名前がクレジットされている。本作は「セッション」(2014米)「ラ・ラ・ランド」(2016米)の間に公開された映画である。
 元々チャゼルは、ホラーやスリラー映画の脚本を手掛けていた経歴があり、そこから考えると今回の心理サスペンス的なタッチも何となく頷ける。あの「セッション」にしたって、観ようによってはホラー映画的な怖さがあったし、おそらく根本的な資質としてチャゼルはスリラー的な要素を持っているのだろう。

 ただし、脚本、演出上幾つか突っ込み所があるは惜しいと思った。シェルターのライフラインはどうなっているのだろうか?何の説明もない。
 また、クライマックスのミシェルの活躍がヒロイックすぎる感じも受けた。そこまでは非常にストイックに展開されていたドラマがここにきて必要以上にはじけてしまった感がある。

 尚、すでに第3弾も製作されており、そちらはNetflixで「クローバーフィールド・パラドックス」(2018米)というタイトルで配信されている。いずれそちらも観てみたい。
[ 2020/01/07 15:58 ] ジャンルアクション | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://arino2.blog31.fc2.com/tb.php/1780-980e5dba