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ホドロフスキーのDUNE

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「ホドロフスキーのDUNE」(2013米)星3
ジャンルドキュメンタリー
(あらすじ)
 鬼才アレハンドロ・ホドロフスキーが監督するはずだった未完のSF大作「デューン」の製作裏話を、ホドロフスキーと関係者のインタビューを交えながら振り返ったドキュメンタリー。

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(レビュー)
 SF小説「デューン」の映画化はD・リンチによって「砂の惑星」(1984米)として実現されたが、それ以前にアレハンドロ・ホドロフスキーの手によって映画化される企画があったとは驚きである。結局、資金難によりその計画は頓挫してしまったが、もし完成していたら、さぞかしエポック・メイキングな作品になっていただろう。ホドロフスキーをはじめ、当時の製作にかかわったスタッフの証言を聞くだに、いかに壮大なプロジェクトだったかがよく分かる。

 絵コンテはフランスのバンド・デシネの巨匠メビウスが担当し、劇中のプロダクション・デザインは「エイリアン」(1979米)などで知られるH・R・ギーガーが務め、特殊効果もやはり「エイリアン」などで知られるダン・オバノンが務める予定だったそうである。当時はまだそこまでの知名度はなかったが、今となっては実に錚々たる面子である。

 キャストも豪華で、映画監督のオーソン・ウェルズ、芸術家のサルバドール・ダリ、ミュージシャンのミック・ジャガー等、当代きっての有名人が予定されていた。

 もし実現していたら間違いなくSF映画の一つの金字塔になっていただろう。

 しかし、この計画は資金が膨らみすぎて中止に追い込まれてしまった。大手ハリウッドのスタジオに話を持ち掛けたが、出資に至らず”夢”のまま終わってしまったのだ。

 ホドロフスキーは映画=芸術と考えている人である。ハリウッドのプロデューサーからしてみれば「ホドロフスキー?あのワケの分からない映画を撮る”変人”か?」と一蹴されておしまいである。

 更に言えば、本人が劇中で語っていたが、上映時間は12時間、可能なら20時間を想定していたというから恐ろしい。今でこそ超大作のシリーズ化は当たり前になったが、当時はそのような長大なストーリーを映画にする前例はなかった。

 冷静になって考えてみれば、本作の映像化は土台、無理だったのではないかと思えてくる。残念な話ではあるが、企画だけは完璧に出来上がっても、諸々の事情で実現に至らなかった例はこれまでにもたくさんある。今回もその一例だった…ということなのだと思う。

 それにしても、映画化は断念したものの、ホドロフスキーはこれを実に楽しそうに話しているのが良い。見ていて何とも微笑ましく、余り悲壮感を感じられないのが救われる。

 数年後にD・リンチの手によって完成した「砂の惑星」を見て、ホドロフスキーは完全な失敗作だと笑っていたが、実際にこの作品は興行的には失敗に終わった。
 こうした経緯を考えると、「デューン」の映像化は映画人たちにとっての一つの鬼門のようになっている。来年、D・ヴィルヌーヴの手によって映画化されるが果たしてそちらはどうなるのか?期待しつつ公開を待ちたい。

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