「死霊のはらわた」(2015米)
ジャンルホラー
(あらすじ) ミアは兄デビッドと友達3人に連れられ山奥の小屋へとやって来た。実はミアは薬物依存症で、今回の旅はそれを治療することが目的だった。しかし、ミアはすぐに禁断症状に苦しみ森の中に一人で入って行ってしまう。そんな中、仲間の一人が地下室で発見した『死者の書』の封印を解いてしまう。ミアは邪悪な死霊に憑依され4人を襲い始める。
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(レビュー) 1981年に製作されスプラッター映画ブームを牽引したホラー映画「死霊のはらわた」(1981米)のリメイク。
オリジナル版の監督サム・ライミと主演ブルース・キャンベルが製作を務め、監督、脚本は新人のフェデ・アルバレスが務めている。なんでもサム・ライミがyoutubeでアルバレスの投稿動画を見て今作の監督に抜擢したらしい。正にリアルなアメリカン・ドリームである。
さて、結論から言うと、オリジナル版の印象が強烈なこともあり、どうしてもそれを超えられない…といった印象だった。
もう一つのホラー映画の金字塔「悪魔のいけにえ」(1974米)が何度もリメイクやリブートを繰り返していることからも分かる通り、後続はやはりオリジナルを超えられない宿命を持っているのかもしれない。
物語はオリジナル版にかなり忠実に作られている。サム・ライミが製作に加わっているのであるから当然という気もするが、物語の展開やシーン作り等、かなりオマージュが捧げられている。
ただ、本作は終盤から、かなりオリジナルから逸脱した展開を見せるようになり、そこは新鮮に観ることが出来た。
一番の違いは、オリジナル版で最後まで生き残ったブルース・キャンベル演じる主人公が、ここではミアというヒロインに代わっている点である。死霊に取りつかれた彼女が、その死霊と戦いを見せるという所に新味を感じた。
また、クライマックスシーンをはじめ、全体的にゴア描写はオリジナル版よりも過激さを増している。どうやら製作陣はCGになるべく頼らずアナログにこだわった撮影に挑戦したらしく、それがオリジナル版の良い意味でのチープさ、下品さの再現に繋がっている。
特に、クライマックスの血の雨のシーンには驚かされた。この大仕掛けは意表を突くアイディアで素晴らしい。
また、釘打ち機の使い方も痛々しく、これはオリジナル版になかったアイディアで良かった。
尚、エンドロールの後にちょっとしたおまけが付いている。製作サイドのお遊びにクスリとさせられた。