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マップ・トゥ・ザ・スターズ

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「マップ・トゥ・ザ・スターズ」(2014カナダ米仏独)星3
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 ハリウッドのセレブ一家、ワイス家。父スタッフォードは、TV番組を持つ有名なセラピストとして活躍している。息子ベンジーは子役としてブレイク中である。母クリスティーナは、息子のマネージャーとして精力的に活動していた。一方、スタッフォードのセラピーを受けている落ち目の女優ハヴァナは、今度の新作に意欲を傾けていた。ある日、彼女の前に顔に火傷の痕がある少女アガサが現れる。ハヴァナは彼女を気に入り個人秘書として雇い入れるが…。

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(レビュー)
 ハリウッドのセレブ一家にまつわる秘密を凄惨な描写を交えて描いたサスペンス・ドラマ。

 実名がバンバン出てくるのでハリウッド内幕モノ的な面白さもあるが、本題はそこではないように思う。これはある一家の凄惨な過去を暴いていく恐怖のホームドラマだと思う。

 監督はD・クローネバーグ。ホラー、スリラーを得意とする監督だけに、その資質は本作にもよく表れている。

 ワイズ家の家族関係は非常に複雑怪奇である。スタッフォードとクリスティーナの禁忌を犯した夫婦関係。長男ベンジーの薬物依存症の過去。そして、家族全員が触れたがらない長女の存在…。物語を追いかけていくうちに、そのあたりの家族の秘密と過去が徐々に明らかになっていく。まるでミステリーを紐解くような構成が興味を惹きつける。

 その一方で、本作は落ち目の女優ハヴァナのドラマも展開される。彼女の母はかつての名女優で、ハヴァナは母と同じ役を演じることになり、その影に怯える。そんなある日、顔に火傷を負ったアガサという少女と出会い、彼女は精神的な安定を取り戻していく。但し、アガサにはある秘密があって、そこが本ドラマの大きなカギを握っている。

 映画は終盤に入ってくると、この二つのドラマが運命的な結びつきを見せていく。ワイズ家の過去にもハヴァナの過去にも”火災”という事件が関係しているが、これは宗教的に見ても道徳的に見ても実に意味深で興味深く考察できる。

 ただ、物語はそれなりに面白く追いかけて見れるのだが、ではテーマは何なのか?と聞かれると答えに窮してしまう。
 果たして皮肉と毒を利かせた家族のドラマなのか?だとしたら何故ハリウッドを舞台にしたのか?その理由がよく分からなかった。

 ハリウッドを舞台にしたのには、それなりの理由があるはずだろう。しかし、その意図が余り感じられない。単に人間の虚栄を暴きたいのであれば、別にハリウッドである必要性はない。わざわざハリウッドで活躍する有名人の名前を実名で出しているのだから、もう少し突っ込んでショウビズ界隈に毒付くようなネタがあっても良かったように思う。

 ラストに関しても、やや凡庸に堕した気がした。ドロドロした家族の愛憎をこうも綺麗にまとめられてしまうとなんだか物足りなさを覚えてしまう。クローネンバーグであればなおのこと、もう少し捻りと強烈さが欲しかった。

 キャストではハヴァナを演じたジュリアン・ムーア、アガサを演じたミア・ワシコウスカが印象に残った。終盤の二人のやり取りは、ほとんどホラー映画のような恐ろしさで見入ってしまった。
[ 2020/08/05 00:47 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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