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快楽の斬新的横滑り

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「快楽の斬新的横滑り」(1974仏)星3
ジャンルサスペンス・ジャンルエロティック
(あらすじ)
 アリスはルームメイト殺しの容疑で逮捕される。ベッドに拘束され心臓をハサミで突き刺された被害者の体には、聖女の殉教の絵が描かれていた。教会が運営する保護施設に収容されたアリスは、そこで取り調べを受けていくのだが…。

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(レビュー)
 アリスが本当にルームメイトを殺したのかどうか?そこを巡って刑事や弁護士、神父が取り調べを繰り返していくのだが、実際の所はよく分からない。もしかしたら二人は同性愛的な関係で結ばれていたかもしれないが、果たして痴情のもつれから殺人にまで発展したかどうか…と言われると今一つ明確な答えは出ない。
 そんなわけで、観終わっても何となくモヤモヤとした気持ちが残る映画だった。

 監督、脚本はアラン・ロブ=グリエ。例によってイメージ先行型の作りになっており、ストーリーはこの際に二の次。自らの性的趣向であるSMプレイと、幻惑的なシークエンスを徹底的に追求したアート映画になっている。これはこれで独自の世界観を貫いたという意味ではアッパレである。

 特に、殺されたルームメイトと瓜二つの女性弁護士が登場して以降は、シュールさを増していく。果たしてこの弁護士は実在していたのか?それともアリスが見た幻想だったのか?人を食ったような”仕掛け”で中々面白かった。

 本作の見所は、各所で繰り広げられるセクシャルなプレイの数々ではないかと思う。ロブ=グリエがノリノリで撮っている顔が思い浮かぶ。
 例えば、アリスがルームメイトのノラの裸の上に生卵を落とすシーンは最も印象に残った。これまでに鞭や拘束具を使ったプレイはたびたび彼の映画の中で出てきたが、こういう妙に艶めかしいプレイは新鮮である。

 また、海辺に置かれたベッドの上でアリスとノラが戯れるシーンも幻想的で印象に残った。ベッドに縛られているのがマネキンの人形というのがどこかフェティズムを感じさせる。

 このように映像に関しては、隠微で美しいシーンがいくつか見つかる。

 殺人事件の謎解きという陰惨さとは裏腹に全体の印象としてそれほど重苦しくならないのは、こうした幻想的なタッチが介入することで、事件の現実性が薄まっているからなのだと思う。
 こういう作風は他の監督では中々撮れないだろう。やはりロブ=グリエは他に類を見ない唯一無二の作家であることが再確認できる。

 尚、今作は劇中に登場するエロティックな描写が問題となり、各国で上映禁止になったという逸話を持っている。おそらく性的な描写の舞台が教会だったのがまずかったのではないだろうか。神聖な教会を汚す内容は欧州であれば反発が出るのは仕方がないことである。
[ 2020/10/07 00:58 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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