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暗闇にベルが鳴る

「暗闇にベルが鳴る」(1974米)star4.gif
ジャンルサスペンス

(あらすじ)
 クリスマスを控えた女子学生寮に1本の不気味な悪戯電話がかかってくる。最初は軽く考えていた生徒たちだったが、その夜、女子学生の一人クレアが失踪する。生徒たちの間で不安が広がっていく中、ジェスは恋人ピーターに妊娠したことを告白して喧嘩になる。彼女は子供を堕ろすと言うのだが…。
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(レビュー)
 不気味な悪戯電話から始まる恐怖の一夜を緊迫感溢れるタッチで描いたサスペンス・スリラー。

 低予算のB級映画だが、最後の意味深な終わり方が強烈な印象を残す作品である。

 ただ、ストーリーはかなりの水増し感があり余り感心しなかった。
 まず、主人公ジェスの同級生バーブのキャラに余り必要性が感じられなかった。フェラチオという単語で警察官をからかうシーンは、ユーモアだとしても余り品がない。
 また、最初の犠牲者クレアの父親と彼女の恋人も、物語を盛り上げる上では決して効果的な使われ方をしているとは言い難い。

 その一方で、これは中々上手くいっていると思った個所もある。
 ただの悪戯電話では警察は動かない。では、その警察をどうやって動かすのか?ということになるのだが、それをこの映画はもう一つの少女失踪事件を用いることで自然に見せることに成功している。この展開は中々リアリティがあって良かったと思う。

 演出は基本的にオーソドックスにまとめられている。
 但し、ここぞというシーンは中々の鋭さを見せ、犯人の主観で捉えたカメラワークや極端なクローズアップ、コントラストを効かせた照明効果が上手く緊張感を創り出している。また、最後まで犯人の姿を伏せた描写も恐怖を盛り上げるうえでは効果的だった。

 そして、何と言っても電話口の犯人の変幻自在な声色。これが非常に不気味で恐ろしい。最初はよくあるセクハラ電話だったのが、徐々に言ってることが意味不明になっていく。それによって少女たちの恐怖度も徐々に増していく。

 キャストでは、ジェス役のオリヴィア・ハッセーの演技が印象に残った。特に、クライマックスで犯人に追い詰められるシーンの熱演は一見の価値あり。彼女はF・ゼフィレッリ監督の傑作「ロミオとジュリエット」(1968英伊米)に主演したことで知られているが、日本では歌手の布施明と結婚したことでも有名である。非常に美しい女優さんで、本作でもその美貌は堪能できる。

 ところで、本作を観て自分はある都市伝説を連想した。それは不気味な悪戯電話の主が実はすぐ近くにいたという怖い話である。かなり有名なので知っている人も多いと思うが、初めて聞いた時はぞっとしたものである。本作も観終えた後に、それと同じような背筋の凍る思いがした。
[ 2020/12/24 00:30 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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