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ドント・ブリーズ

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「ドント・ブリーズ」(2016米)star4.gif
ジャンルサスペンス
(あらすじ)
 ロッキーと恋人のマニー、友人のアレックスは方々で空き巣を繰り返していた。ロッキーは、自堕落な親を見限り幼い妹を連れて家を出て行こうと考えていた。そのためにはまとまった金が必要だった。ある日、マニーから強盗話を持ちかけられる。ターゲットは孤独な盲目の老人で、娘を事故で失った賠償金を自宅の地下室に隠しているらしい。3人は彼の家に強盗に入るのだが…。

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(レビュー)
 3人の強盗犯と盲目の退役軍人の戦いをスリリングに描いたハードなサスペンス作品。

 これも実に設定がユニークな作品である。盲目の無力な老人が、実はとんでもなく強い元軍人だった…という意外な設定が面白い。老人は目が見えないが、その代わりに気配で何でも分かってしまうのだ。こうして3人の若者たちは逆に窮地に追い込まれてしまう。立場がまったく逆転しまうのだ。

 ここまで来るともはや老人の方が悪人に見えてしまいブラックユーモアを感じてしまう。対する若者たちが気の毒に見えるくらいだった。
 本作が巧妙なのはここである。若者たち、とくにロッキーの不幸な家庭環境、幼い妹想いな一面というバックストーリーを序盤でプレマイズすることで、観ている我々は本来悪役であるはずの彼らに幾ばくかの同情心が自然と湧いてしまうのである。悪人と善人の立場を見事に転覆させたプロットが秀逸である。

 監督はフェル・アルデバス。あのサム・ライミ監督の傑作「死霊のはらわた」(1981米)のリメイクで監督デビューした新進気鋭である。オリジナル版とは微妙に異なる展開を見せたリメイク版だったが、サム・ライミ自身が製作していたということもあり、アナログ志向なマッチョなホラー映画で中々面白かった。
 今回も、そのサム・ライミが製作を買って出ている。

 アルデバス監督の演出は今回も非常にエッジが効いており、時折見せるブラック・ユーモアもサム・ライミ譲りという感じで中々のセンスを感じさせる。

 特に、終盤の畳みかけるような演出には参りましたというほかない。ロッキーたちの暗闇に対する恐怖を暗視カメラ的映像で盛り上げた演出は、もはやホラーのような怖さがある。また、ほとんどセリフがないまま映像だけでサスペンスを盛り上げたところも見事であった。

 カメラワークにもユニークなものが見つかる。D・フィンチャー監督の「パニック・ルーム」(2002米)を彷彿とさせるような流麗なカメラワークが見事だった。

 ちなみに、O・ヘプバーン主演の「暗くなるまで待って」(1967米)という映画があった。あれは、盲人であるヒロインが強盗犯から狙われる恐怖を描いたサスペンス映画だった。ヘプバーンの熱演、卓越した演出で中々の傑作だったように思う。本作はそれを逆手に取ったような作品だと言える。

[ 2021/01/02 00:43 ] ジャンルサスペンス | TB(0) | CM(0)

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