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幸せなひとりぼっち

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「幸せなひとりぼっち」(2015スウェーデン)星3
ジャンル人間ドラマ・ジャンルコメディ
(あらすじ)
 最愛の妻ソーニャを病で亡くし、長年勤めていた仕事も突然のクビを宣告された初老の男オーヴェ。すっかり絶望して首を吊って自殺しようとした矢先、向いにアラブ系移民一家が引っ越してくる。自殺を邪魔されたオーヴェだったが、陽気な主婦パルヴァネは、そんなことを気にせず積極的に彼に頼ってくる。困惑しながらもオーヴェは彼らとの交流を始めていくのだが…。

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(レビュー)
 孤独な頑固おやじと移民一家の交流をハートフルに綴った人間ドラマ。
 原作は同名のベストセラー(未読)ということである。

 老い先短い男の孤独を絶妙なユーモアを交えながら上手く描いていると思った。彼を取り巻く周囲の人間模様もとても魅力的に描かれており、中々の佳偏となっている。
 オーヴェのような年配の方には、興味深く観れるのではないだろうか。きっと身につまされる部分もあると思う。

 孤独なオーヴェは自殺未遂を何度も繰り返すが、それを悉く移民一家に邪魔されるという序盤の展開にはブラックユーモアを感じた。深刻に描くのではなく、敢えてコメディタッチで捌いてるあたりが見事である。

 端的に言うと、オーヴェは偏屈じいさんである。はっきり言って、現実にこんな爺さんが近所に居たら大変困ったものである。しかし、そこもこの映画は、周囲の温かい眼差しを通して割と楽観的に描いている。結果、映画を観ていても余り嫌な感じを受けない。

 むしろ、時と場合によっては、面倒見のいい人として描いている。
 例えばパルヴァネが自動車の運転を習いたいと言えば教えてやるし、彼女の夫パトリックが怪我をすれば病院まで運んでやるし、パルヴァネの子供たちには絵本まで読んでやる。
 こうした世話焼きな一面も持っており、なんだかんだ言って、オーヴェは愛すべきキャラとして造形されている。

 最も笑ったのは、先述したパトリックを病院へ運ぶシーンだった。オーヴェは車の中でガス自殺しようとしていたのだが、そこにパトリックが怪我したという知らせが入る。仕方なく彼はその車でパトリックを病院まで運ぶことにする。自殺から一転。人助けをするという展開が可笑しかった。

 映画は、こうしたオーヴェの日常をスケッチしていく傍らで、自殺しようとする時に見る走馬灯や夢の中で彼の過去も回想されていく。そこから次第に妻ソーニャとの出会いや父親との思い出が明らかにされていく。
 こうした回想もオーヴェの人物像に奥行きをもたらすという意味では奏功している。構成が上手く考えられていると思った。

 ただ、全体的にそつなく作られていると思うが、ラストのまとめ方は蛇足に思えた。
 オーヴェはルネという男と長年対立を深めている。終盤でその顛末が描かれ、ある種ハッピーエンド的なケリがつけられる。ここでエンディングにすればいいと思うのだが、本作はその後にエピローグを付け足してしまっている。これが映画の余韻を全く奪ってしまっている。個人的には不要に思った。
[ 2021/04/07 00:50 ] ジャンル人間ドラマ | TB(0) | CM(0)

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